プロ初勝利を挙げた阪神・松田=神宮球場(撮影・白鳥恵)【拡大】
長崎・島原市内の実家には大事に飾られている1枚のツーショット写真がある。あどけない表情の松田の隣に写るのは、高橋由(巨人)だ。
「最初の憧れの選手です。小学6年生のときに、巨人の宮崎キャンプに行って、そのときに撮ってもらったんです」
7年の時を経て、憧れの存在と同じ土俵に上がった。9月8日の巨人戦(甲子園)で初対戦。自慢の直球をものの見事に左翼席に運ばれた。プロの洗礼-。5失点と炎上し、2軍落ちした。
これをキッカケに体が開かない投球フォームを模索中。前回登板した2日の広島戦(マツダ)では2回4失点と打ち込まれた。まだまだ、発展途上の段階だ。広島を下し、CSファイナルステージに進めば、高橋由と再戦のチャンスがある。
和田監督も「きょうは勝ちがついたけど、まだ遼馬本来の球ではない。ただ疲れているときの感じではなくなっている」と復調を感じ取った。背番号「56」が状態を上げれば、虎のブルペンがさらに厚みを増す。
遼馬は「勝ちがついて、いいきっかけというか、これからいい投球ができるように頑張りたい」と誓った。短期決戦で大暴れの予感だ。(小松 真也)
■松田 遼馬(まつだ・りょうま)
1994(平成6)年2月8日、長崎県島原市生まれの19歳。波佐見高では2011年、3年春の選抜大会に出場。12年D5位で阪神に入団。今季26試合に登板、1勝2敗、防御率4・03。1メートル84、89キロ。右投げ右打ち。年俸520万円。背番号「56」
(紙面から)