8日に名護市長に就任する稲嶺進氏=沖縄県名護市、木村司撮影
沖縄県名護市長に8日に就任する稲嶺進氏(64)は朝日新聞のインタビューに応じ、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設について「約束を守れないときは、自分が(職を)降りる」と述べ、移設反対の公約を市長の職をかけて貫く考えを強調した。
――市長就任で辺野古案は。
「なくなるでしょう」
――過去3回の市長選では移設容認派が当選してきました。今回、反対を訴えて当選できた理由をどう考えますか。
「基地と関連した振興策が10年も続き、かなりの予算が投入されたのに、暮らしはよくならなかった。多くの市民がそう実感していたからではないか。基地に頼った一時的な振興策ではなく、継続・持続する、自分たちでつくり上げる地域振興が大切だと訴えたのが賛同を得たのだろう」
――政府が今後、「やはり辺野古に」と言い出したら、どう対応しますか。
「私は辺野古に新しい基地は造らせないと約束した。信念を通して、貫いて、守り抜く。仮に国がそういうことを言ってきたら、市民の先頭に立って反対の意思を行動で示さなければならない」
――市長として反対を貫き通せるか、疑問視する声もあります。
「約束を守れないときは、自分が(市長の職を)降りるときだ。私は新しい基地を造らせないと約束して当選した。筋を通すことによって人は信頼してくれる」
――仮に政府が妥協点を期待しているとしたら。
「大きな間違いだ」
――現行計画よりも環境や騒音の負荷が小さい案、たとえば名護市辺野古にあるキャンプ・シュワブの陸上部への一部機能の移転などを提示されたらどうしますか。
「現在ある基地の機能強化につながるものは、いずれにしてもだめだ」
――立候補を表明した当初は、今ほど反対姿勢を強く打ち出しませんでしたが。