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嘔吐物から有毒ガス・熊本の病院、農薬自殺の男性診療中

 21日午後11時ごろ、熊本市長嶺南2の熊本赤十字病院救命救急センターで、農薬のクロロピクリンを飲んで自殺を図り搬送された熊本県合志市の農業の男性(34)が診察中に嘔吐(おうと)し、気化した塩素系有毒ガスが発生した。入院予定だった女性患者(72)が肺炎の症状を悪化させ重症となるなど患者ら計54人が治療を受けた。男性は死亡した。

 同センターは救急診療を中止し、一時封鎖されるなど騒然となった。

 54人の内訳は救急外来の患者ら23人、病院職員が31人。男性の母親ら9人も息苦しさなどを訴え入院したり、別の病院に運ばれたりした。残る44人は治療後帰宅したという。

 病院の説明によると、医師が男性の胃の内容物を約1リットル吸引したところ嘔吐、気化したクロロピクリンがセンターに充満したという。同病院は医師や職員を緊急に呼び出し、救護に当たった。〔共同〕(16:01)

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