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ソニー30年ぶり生産復活 CD工場で温故知新

静岡県焼津市の工場に導入されたアナログレコードのプレス機=ソニー・ミュージックエンタテインメント提供

 大手音楽会社ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)はアナログレコードの人気再燃を受け、自社生産を約30年ぶりに復活する。レコードは親会社のソニーなどが開発したコンパクトディスク(CD)の普及に押され、生産数は一時減少していた。今回の生産再開は、世界で初めてCDの量産を始めたSME子会社の工場(静岡県焼津市)で行われる。アナログからデジタルへの転換が本格的に始まった場所が、レコードの「復活」に一役買うことになる。

 SMEによると、当時の大井川町(現焼津市)にあった工場は1969年にレコード生産を始め、米国の音楽デュオ、サイモン&ガーファンクルの「卒業 オリジナル・サウンド・トラック盤」を第1号に多くの名盤を製造してきた。東名高速道路に近く、東西どちらの輸送にも便利なことからこの場所が選ばれたといい、82年に音をデジタル化し圧縮して記録できるCDが開発されると、世界で初めて量産を行った。

 その後のCD普及を受け、SMEは89年にレコードの生産を終了。しかし近年、CDやインターネットの音楽配信に慣れ親しんだ若い世代の間でレコード人気が高まってきた。日本レコード協会によると、2016年の生産枚数は約80万枚と、落ち込みの激しかった09年の8倍近い。

 最近は「ももいろクローバーZ」や「Perfume(パフューム)」ら人気グループがレコードでも曲を発表する。同協会は「レコードの大きなジャケットは若者には新鮮で楽しく、配信などでは満たされない『所有したい』という気持ちに応えられるのでは」とする。

 また音を圧縮しないため「温かみがある」と音質を再評価する声も。今回のレコード生産を再開する工場運営会社の上田勝央・執行役員は「この工場で、音楽の楽しみ方の変化をけん引してきた面がある。『温故知新』でこれまで培ったノウハウを駆使し、進化したアナログレコードを作る」と話している。【井上知大】

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