よくビジネス本なんかで「戦国武将に学ぶマネジメント」みたいなのがあるじゃないですか。
孫子とか徳川家康とか、成功した人物の発言や行動からエッセンスを抜き出してひも解いて「で、お前らはどうなんだ」って気付きを与え行動の変化を促すようなやつ。自己啓発とも言えるし、歴史から学ぶ姿勢を求めているとも言える。良いとか悪いとかじゃなくて、ローマの歴史とか見てみると、やっぱり大いなる人間のつながりの中で、歴史は動いてきて、自分もまたその一端のわずかな一滴なんだって実感できるわけなんですよね。
んで、本書はそういう日本人の中でも成功した畏敬される戦国武将の一人である「天下人」織田信長の実像に、最新の学説や資料で丁寧に迫る内容です。なんかどこぞのNHKのヒストリアみたいですが、まあ実際そういう本です。
ところが、中身を見るとですね、これがまた「等身大」織田信長の人間臭ぇこと。個別にあれこれ書くのは気が引けるんで割愛しますが、まあ要するに「大した器量の武将ではなかったようだ」という事例がこれでもかと書いてあるわけです。さほど先進的でも革新的でもなく、組織的な家内運営をしているわけでもなく、実のところ自分から裏切ったことはなく、信頼している部下や同盟先に裏切られて呆然としている織田信長の、まるで携帯電話販売会社社長が上場してみたらにっちもさっちもいかなくなったような、そういう事例であります。
私たちの持つ織田信長と言えば、そりゃあもう「信長の野望」であり、第六天魔王であり、楽市楽座をはじめとした経済面での異端児であり、室町幕府よりも天皇家のほうを価値があると見抜いた当代随一の知識人であって、三段撃ちであって、桶狭間なんですよね。
でも、資料や周辺の状況を詳しく見てみると… というネタが詰まった本書を読むと、もっともっと近いところから虫眼鏡で織田信長をつぶさに観察するような舐め回し方がとても心地よい。うーん、なるほどと。


正解など絶対にない歴史の、知識を更新する喜びってやつでしょうか。従来の怖い織田信長像だけではない、いろんなネタが詰まった一冊で、お薦めです。
孫子とか徳川家康とか、成功した人物の発言や行動からエッセンスを抜き出してひも解いて「で、お前らはどうなんだ」って気付きを与え行動の変化を促すようなやつ。自己啓発とも言えるし、歴史から学ぶ姿勢を求めているとも言える。良いとか悪いとかじゃなくて、ローマの歴史とか見てみると、やっぱり大いなる人間のつながりの中で、歴史は動いてきて、自分もまたその一端のわずかな一滴なんだって実感できるわけなんですよね。
んで、本書はそういう日本人の中でも成功した畏敬される戦国武将の一人である「天下人」織田信長の実像に、最新の学説や資料で丁寧に迫る内容です。なんかどこぞのNHKのヒストリアみたいですが、まあ実際そういう本です。
織田信長 不器用すぎた天下人 [ 金子 拓 ] |
ところが、中身を見るとですね、これがまた「等身大」織田信長の人間臭ぇこと。個別にあれこれ書くのは気が引けるんで割愛しますが、まあ要するに「大した器量の武将ではなかったようだ」という事例がこれでもかと書いてあるわけです。さほど先進的でも革新的でもなく、組織的な家内運営をしているわけでもなく、実のところ自分から裏切ったことはなく、信頼している部下や同盟先に裏切られて呆然としている織田信長の、まるで携帯電話販売会社社長が上場してみたらにっちもさっちもいかなくなったような、そういう事例であります。
私たちの持つ織田信長と言えば、そりゃあもう「信長の野望」であり、第六天魔王であり、楽市楽座をはじめとした経済面での異端児であり、室町幕府よりも天皇家のほうを価値があると見抜いた当代随一の知識人であって、三段撃ちであって、桶狭間なんですよね。
でも、資料や周辺の状況を詳しく見てみると… というネタが詰まった本書を読むと、もっともっと近いところから虫眼鏡で織田信長をつぶさに観察するような舐め回し方がとても心地よい。うーん、なるほどと。
正解など絶対にない歴史の、知識を更新する喜びってやつでしょうか。従来の怖い織田信長像だけではない、いろんなネタが詰まった一冊で、お薦めです。
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