「共謀罪をものともせず」自称テロリスト・外山恒一が都内を街宣中

「戦争するならアメリカとやれ。爆破したいぐらい、原発が嫌いです。原発推進派は、はぁ(ため息)、死ねばいいと思います。共謀罪をものともせず、会いにくるテロリスト、気さくなテロリスト、外山恒一でございます」

 東京都議会議員選挙が告示された2017年6月23日、午前8時の高円寺駅前。都議選とはまったく関係ないにもかかわらず、街宣車から過激な第一声をあげている男がいた。2007年の都知事選に出馬、政見放送で「選挙で何かが変わると思ったら大間違いだ!」と民主主義を批判し、注目を浴びた外山恒一氏である。

⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1353353

 外山氏はその後も各種選挙で出馬せずとも原発推進候補をほめごろしたり(※2014.02.10)「投票に行くな」と訴えたり(※2016.07.14)と、内容は過激ながらもユーモアに溢れる「選挙便乗街宣パフォーマンス」を行ってきた。

 今回は原発候補ほめごろしに引き続き「テロリスト」を自称しての街宣。これは先だって成立したばかりの「テロ等準備罪」(共謀罪)が7月11日に施行されるのを前に、共謀罪を笑い飛ばす意図ではないか? そう睨んだ取材班は、街宣車に再び乗り込んでみることにした。

「悪い政府が嫌がることしかやりません」「テロリストが人質を取って、アメリカと手を切れと要求してきたら、素直に従ってください」「単なる平凡な、しがない過激派でございます」

 外山氏は磨き上げた短い街宣フレーズをマイクで繰り返しながら、高円寺から新宿、渋谷などを回る。朝10時すぎに渋谷駅前を通ると、別に狙ったわけでもなく小池百合子都知事の第一声と遭遇。オリンピックという大仕事を控えている小池都知事は、「日本政府はテロに屈しろ」と書かれた街宣車の看板を見て何を思っただろうか。

「共謀罪をものともせず」自称テロリスト・外山恒一が都内を街宣中 また、都議選期間中にもかかわらず、日本共産党の選挙カーを見かければ「共産党とは珍しく仲の悪い、反原発派です」と言い放ったり、「○○候補のご健闘をうわべだけお祈りしております。というか、みんな落ちればいいと思っております」とマイクで言ってしまう。

 だが、これらはすべて公職選挙法や道路交通法に違反しているものではない。それはなぜか。むしろ、強いて言えば「法令遵守」の「過激な活動」なのだ。政治資金規正法により届け出された「政治団体」は、その地域が選挙運動期間中になると街頭宣伝をすることができない。だが、外山氏が率いる「九州ファシスト党・我々団」は、政治資金規正法に基づく政治団体の届け出を出しておらず、単なる「結社」に過ぎない。いわば「サークル」や「女子会」と同じ扱いと言っても過言ではない。
 
 なので、街宣車で大音量で回ることもパチンコ屋の宣伝カーなどと変わらない。たとえ当該地域が選挙運動期間中であっても、法律の定めるところの「政治活動」以外は「結社の自由」により守られているのだ。裏を返せば、街宣をするために選挙に出る人もいる。かつて、右翼の親玉と呼ばれた赤尾敏は、銀座・数寄屋橋で選挙運動期間中も毎日街宣をするために出馬したほどだ。

 ちなみに外山氏がマイクを握りながら運転していることは道交法違反ではないのか、という疑問を抱く人も多いが、これも携帯電話やカーナビなどとは違い法律上明示がないので、道交法に不思議と触れないのだ。実際、取材班は何度も街宣車同乗取材をしているが、交番やパトカー、警官とすれ違いながらも一度も咎められたり、職務質問をされているところを見たことがない。

 取材班は6月23日に引き続き、6月25日にも街宣車同乗取材を行った。こちらの模様については動画にまとめてあるので、ご覧いただければ、ここまで紹介した過激なフレーズがなんともユーモラスな形で表現されているのがお分かりいただけるのではないだろうか?

※動画URL https://youtu.be/GuR6BuaxKpY



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