気が付いたらマイクロフォーサーズ(OLYMPUS)、APS-C(PENTAX Kマウント)、フルサイズ(SONY Eマウント)のカメラを所有していました…。
相変わらずニコンとキヤノンがないのが不思議ですが、今気になっているカメラはフジフィルムのXシステムなので、この分だと一生縁がないのでは?なんて気にもなっています。
メインのカメラは当然マイクロフォーサーズ(MFT)であり、超広角から望遠までそれなりのレンズを揃えているのがここ。他の2マウントは浮気心というか興味本位で手を出したこともあり(K-S2は完全に見た目で)、あまり高級なレンズにも手が出せませんし、廉価版のレンズ中心に楽しんでいる感じです。
3マウント3センサーサイズの50mm撒き餌レンズ?
そして、各マウントでフルサイズ換算50mm相当の単焦点レンズが揃いました。どれも売価約2万円〜3万円位と比較的手頃な、所謂「撒き餌レンズ」と呼ばれるもの。はい、片っ端から撒き餌に食いつく犬です。
標準画角と言われる50mm相当の明るい単焦点レンズが1本あると、レンズ交換式カメラは一気に世界が広がります。広角レンズのようなパースが付きませんし、テーブルフォトからポートレート、街歩きのスナップ用まで出番も多いので、レンズキットからの最初の単焦点レンズとしてこの辺を奨められることは多いと思います。
各レンズのスペックは似通っていて、M.ZUIKO 25mm F1.8とSEL50F18Fは開放値がF1.8で、DA35mmF2.4はF2.4と1段ほど暗めですが、まあ似たようなものです。
レンズ型番 | 撮像素子 | 焦点距離 (FF換算) | 開放絞り | 最短撮影距離 | 重量 | 参考価格 |
M.ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8 | MFT | 25mm (50mm) | F1.8 | 0.25m | 137g | ¥30K |
smc PENTAX-DA 35mmF2.4AL | APS-C | 35mm (53.5mm) | F2.4 | 0.3m | 124g | ¥18K |
FE 50mm F1.8 / SEL50F18F | FF | 50mm | F1.8 | 0.45m | 186g | ¥28K |
DA35mmF2.4はマウント部もプラスチックで、重量はMFTのM.ZD25mmよりも軽い! その分、他のレンズよりと価格差が1万円位あり、とてもお手頃なレンズです。
手持ち撮影でのゆるめ比較
録り比べといっても、条件をきっちりと合わせ三脚などを使って撮ったものでなく、普段の私のスタイルで手持ち撮影。3個のカメラをバッグに突っ込んで、順番に似た構図になるように撮っていったものです。思ってた以上に構図がバラバラだったりはしますが、なにかしらの参考にはなるかもしれません?
3台のレンズを装着したカメラは、オリンパスPEN Lite E-PL7、ペンタックスK-S2、ソニーα7の3台。ここで最新のOM-D E-M1 Mark IIを持ち出すのはやや不公平な気がしますし、レンズとボディのバランスを考えたらMFTはE-PL7が丁度良いと感じました。
各カメラの設定ですが、平均的な写真が撮れるよう(?)、「ISOオート、AWB」に設定し「JPEG最高画質」の保存で、画像の仕上げは「ナチュラル、STD」といったものを選んでいます。その後のLightroomでは同じ設定値で微調整した上、露出にあまりに差があるものは見た目が近くなるよう補正しました。
それぞれ元のカメラの画素数も異なるのでイコール条件ではありませんが、各フォーマット毎の50mmレンズの雰囲気などは感じて貰えるかと思います。
あと、全体にトリミングは行ってないませんが、帰宅してから気付いたのですが、E-PL7のアスペクト比の設定が3:2になっていたようで、本来の4:3画角から天地を少しトリミングしたものとなってます。
絞り開放で各フォーマットのボケ比較
まずはやはり明るい単焦点といったら、絞り開放での背景ボケの比較。M.ZD25mmとDA35mm安は殆どボケ量の差が感じられませんが、これは開放値の違いによるもの。感度やSSなどはテキストに書き出すのが面倒だったのでFlickrの方で見てください。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F1.8
続いて前ボケを作ってやはり絞り開放の比較。明らかにフルサイズのボケが大きいですが、ボケ量で2段差あると言われるMFTのボケも自然で悪くないですね。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F1.8
あと、やはりLV撮影とファインダーだと被写体との距離や角度が結構変わってしまいますね… なるべく揃えようと意識して撮ったつもりですが比較作業は難しいです。
ボケ量を揃えるようにして撮ってみる…
ボケ量は同じ絞りの場合、MFTとAPS-Cで1段弱、APS-Cとフルサイズでは1段強、そしてMFTとフルサイズは2段の差があると言われています。それではボケ量が揃うように絞りを合わせてみましょう(分かりやすいよう1段差にしています)。
これだけ屋内で撮り直し。中央のオレンジの犬にピントを合わせています。カメラのセンサーの位置で合わせて撮ったつもりですが、レンズの高さや前玉の位置などもあって、なかなか同じアングルにはなりませんね。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F2.0
レンズの位置の関係かDA35mmが一番ボケているようにも見えますが(描写の柔らかさもあり)、同じサイズになるようにトリミングしたらボケ具合は近い気がします。
F2.0の明るさがあってもフルサイズのF4.0相当のボケ量になってしまうのは、MFTの弱点と言われがちですが、一方で同じ被写界深度が欲しい場合に2段明るくできる(高速シャッターが切れる)という見方もできます。
パンフォーカスでの撮影や、手持ちでの夜景、屋内での撮影の場合などは、深い被写界深度をコントロールしやすいMFTの方が個人的には使いやすく感じますし、フルサイズの開放付近ではテーブルフォトなどがボケ過ぎてしまい、絞ると感度が上がってしまうので(又はSSが下がって手ぶれしやすくなる)、α7での料理スナップは結構気を遣います。
それぞれのレンズでの接写の差
3本のレンズによってかなり異なるのが最短撮影距離。スマホやコンデジを使っていると分りますがセンサーサイズが小さい方が寄れるレンズを作りやすいのと、同じ焦点距離のレンズなら小さいセンサーの方がセンサーに写る像が大きくなります。
この辺については上手く説明できないので、気になる方はログカメラ見るといいです。
3本のレンズ(カメラ)でAFが合焦するギリギリまで寄っての結果が以下。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F2.0
MFTが一番寄れて撮影倍率も高いのは一目瞭然。16MのMFTと24Mのフルサイズなら後者をトリミングすればいいのでは?みたいな話は… 面倒くさいのでやめときましょう。
撮る際に思い通りのアングルで撮れるかどうかの方が私は重要ですし、物理的に寄れた方がパースをコントロールできる幅も広いので。
同じ絞り値で録り比べ(F4.0/F5.6/F11)
パンフォーカス気味のシーンを同じ絞り値で録り比べたら少しは差がでるかな?と思いましたが、F4.0の段階でも(ブログ掲載レベルなら)そこまで大きな差はありませんでした。
確かに等倍で見比べるとF4.0ではMFTが最も周辺までクッキリですが、F5.6まで絞るとフルサイズも変わりません。というかFE50mmってF4.0位から全体的にとてもシャープな描写のレンズですね。
ピントはどれも中央1点で合わせています。F8.0の比較も撮ったのですが、F5.6の場所と同じなので省略します。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F4.0
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F5.6
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F11
撮影結果を見ていると、唯一のローパスレス機であるK-S2を使いながらも、DA35mm安はやや描写が甘めになる印象です(F8.0まで絞ると他と遜色ないですが)。AFの歩留まりもK-S2だけ少々失敗が混ざりますし、レンズの癖なのか、一眼レフとミラーレスのピントの精度によるものか、はたまた私の腕か…?
プログラムオートで撮り比べ
条件を揃えて撮り比べることは色々と難しいですし、それを行う意味も正直よく分かりません(おい)。ということで、露出モードはプログラムオート(P)でカメラ任せにし、同じようなシーンを撮り比べてみました。
プログラムオートって結構バカにされますが、私はハイキングなどでは結構多様してます。その場合、プログラムオートの結果を見ながら、プログラムシフト(PS)で絞りを調整する癖が付いています(快晴だとMFTでは絞り値が上がりすぎる傾向になるので、その場合は最初からAモードですが)。
水辺に木や草が茂った少々うるさめな被写体。F2.2で既にパンフォーカスなE-PL7に対して、開放なので中央以外はかなり甘くなってしまったK-S2、α7+FE50mmはやはりF4.0でとてもクッキリ。この辺のカメラメーカーの個性が楽しい。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F2.2、ISO200、SS1/100
▲Pentax K-S2+DA35mmF2.4/F2.4、ISO200、SS1/60
▲Sony α7+FE50mmF1.8/F4.0、ISO200、SS1/60
木の根っ子にピントを合わせて。どれもボケ量が近くなる絞りになっています。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F2.5、ISO200、SS1/160
▲Pentax K-S2+DA35mmF2.4/F2.8、ISO100、SS1/100
▲Sony α7+FE50mmF1.8/F4.0、ISO125、SS1/60
露出補正をローキーに振ってオレンジ色の花や葉を撮ってみました。色味のブレはありますが、現像でもなんとかなりますし、私の用途ならどのカメラを使ってもいいじゃんか!と身も蓋もない結果になりつつあります。
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F3.2、ISO200、SS1/250
▲Pentax K-S2+DA35mmF2.4/F4.0、ISO100、SS1/160
▲Sony α7+FE50mmF1.8/F5.6、ISO100、SS1/125
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8/F3.2、ISO200、SS1/250
▲Pentax K-S2+DA35mmF2.4/F3.5、ISO100、SS1/125
▲Sony α7+FE50mmF1.8/F4.5、ISO100、SS1/60
最後だけシャッター速度優先で1/2000で噴水。カメラが出した感度と絞りの差が面白いですが、そんなことよりK-S2+DA35mmでのショットは、3枚撮ってことごとく盛大にピンボケして撮れていませんでした(水に合わなかった?)。現場で結果を確認しない自分が悪いのですが、合焦音を確認して3枚シャッターを切る条件は全て同じだけに、やはりペンタックスのAFは油断ならんな…と、関係ない感想を持ちました。
結論は特にないです…
ということで、丁度手元に50mm相当のレンズが3本揃って、しかもセンサーサイズが異なるので撮り比べたら面白いかな?とも思ったのですが、厳密な比較をしている訳でないのでイマイチ差の分かりづらい結果となってしまいました。ここまで読んでいただいた方、ありがとうございます&ごめんなさい。
同じ絞り値でも被写界深度や最短撮影距離が違うので、飲食店などはMFTが扱いやすいことはありますが、「1段分ずつの差」と頭に入れておけば、比較的どのカメラを使っても似たような結果は得られそう(大きなボケが欲しい場合は迷うことなくフルサイズ)。
よく言われるセンサーサイズによるダイナミックレンジや高感度耐性の差についても、今の所フルサイズだからそこまで圧倒的とは感じていません。確かに今回の撮影では、フルサイズの方が階調が豊かだと感じるシーンは少しありましたが、それは同じようなクラスのレンズを揃えた故に初めて感じられたことです。
組み合わせるレンズによっても、引き出せるセンサー性能には差がありますし、その点では比較的まともなレンズを揃えているMFTの方が、私の手持ちの機材では有利です。フルサイズ機でそれなりのレンズを揃えようと思うと、重量もお金の方も大変ですからね(笑)
ただし、普段のスナップ撮影ならどのカメラを使っても楽しく撮れますし、その時に手にしているカメラで試行錯誤するのが、個人的には趣味のカメラとしては楽しい作業です。
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おまけ:絞り別50mm相当レンズ比較
作ってはみたものの本編に貼る理由もないな、と思ったので最後のオマケです。各レンズ(カメラ)で開放、そしてF2.8から1段ずつ絞った4枚の比較です。比較条件も作例としてもかなり微妙ですが、せっかく作ったので最後に貼っておきます(笑)
▲Olympus E-PL7+M.ZD25mmF1.8
▲Pentax K-S2+DA35mmF2.4
▲Sony α7+FE50mmF1.8