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特例法成立 19年元日の改元有力

天皇、皇后両陛下=富山市で2017年5月29日、加古信志撮影

 天皇陛下の退位を実現する特例法は9日午前、参院本会議で採決され、自由党を除く全党の賛成で可決、成立した。自由党は採決前に退席した。陛下の退位日は特例法の施行日。法律に時期は明記されていないが、2018年末に陛下が退位して皇太子さまが新天皇に即位し、19年元日に改元する日程が有力視されている。退位後の天皇の称号は上皇、きさきは上皇后。政府は改元や新天皇即位に関する儀式、退位後の天皇を支える組織の新設など準備を本格化する。

 採決は押しボタン式で行われ、賛成235、反対0の全会一致だった。自民、民進、公明、共産、日本維新の会、社民、日本のこころ、無所属クラブ、沖縄の風の各党派と無所属議員が賛成した。

 特例法の施行日は成立から3年以内に政令で定める。陛下の退位が実現すれば、江戸時代の光格天皇以来、約200年ぶり。明治時代に天皇が終身在位制になってからは初めてになる。

 特例法は第1条で、陛下が83歳と高齢になられ、公的行為など「活動を続けることが困難となることを深く案じておられる」と記述。「国民は陛下のお気持ちを理解し、共感している」とした。

 退位した天皇の活動を支える組織として「上皇職」を宮内庁に設置する。皇太子さまの即位後、皇位継承順位1位になる秋篠宮さまの皇族費は、皇太子と同等になるよう現行の3倍にし、補佐する「皇嗣職」を新設する。秋篠宮さまに「皇太子」の呼称は用いない。

 天皇陛下は昨年8月、退位の意向がにじむおことばを公表した。政府は憲法が天皇の国政関与を禁じていることに配慮し、有識者会議で議論を進め、陛下に限る特例法で対応することにした。ただ、菅義偉官房長官は国会審議の中で「将来の先例になり得る」と答弁。特例法を作れば将来の天皇も退位が可能になる。

 参院本会議では、女性宮家の創設や安定的な皇位継承について「法施行後速やかな検討」を政府に求める付帯決議が7日の参院特別委員会で採択されたことが報告された。

 大島理森衆院議長は9日の記者会見で「100%に近い方々の賛同を得た重みは国民の総意に近いと理解している」と述べた。【野口武則、高橋恵子】

諸般の準備進める

 天皇陛下の退位を実現する特例法が成立したことを受け、宮内庁の山本信一郎長官は「天皇の退位等に関する皇室典範特例法の成立を受け、宮内庁としては、お代替わりが円滑に行われるよう、関係機関と緊密に連携しながら、諸般の準備を進め万全を期してまいります」とのコメントを出した。

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