特定外来生物の解説
- 和名
- オオキンケイギク
- 科名
- キク(Compositae)
- 学名
- Coreopsis lanceolata
- 英語名
- Lanceleaf tickseed
- 原産地
- 北アメリカ(ミシガン〜フロリダ、ニューメキシコ)原産である
- 特徴
- キク科の多年生草本で、高さは0.3〜0.7m程度である。温帯に分布する。路傍、河川敷、線路際、海岸などに生育する。
開花期は5〜7月。頭状花。虫媒花。痩果をつける。
ホソバオオキンケイギク、アラゲオオキンケイギクを区別する文献もある。 - 定着実績
- 1880年代観賞用、緑化用に導入。全国的に逸出している。
- 平成21年度までに個体が確認された地点図
- 被害状況
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■生態系に関わる被害
- 天竜奥三河国定公園にある天竜川では、1976年に確認されたオオキンケイギクが最近急速に分布を広げ、代表的な帰化植物としてお花畑を形成し、上流のほぼ全域でみられるようになった。それとともに長野県固有のツツザキヤマジノギクや、カワラニガナ、ツメレンゲ、カワラサイコなどの河川敷固有の植物が減少または消失している。さらにタコノアシやミクリなどの貴重な植物への影響も懸念されている。
- 岐阜県木曽川でオオキンケイギク等の外来植物を選択的に除去したところ、カワラヨモギ、カワラマツバ、カワラサイコ等の河原に固有の在来種が回復したことから、在来植物の衰退の主要な原因の一つは、外来植物の侵入であることが示された。
- 長野県南箕輪村の半自然草地の調査では、オオキンケイギクが優占する群落では一年生草本が少なくなっており、オオキンケイギクによる下層の光環境の悪化が考えられた。
- 強靱な性質のため全国的に野生化し、河川敷や道路にしばしば大群落をつくっており、在来生態系への影響が危惧されている。
- 取扱い上の注意
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- 備考
- 八重咲きの矮生種がふえ、鉢植えや花壇に利用されていた。
強健で冬期のグラウンドカバー効果が高く、花枯姿が汚くないなどの理由で、ワイルドフラワー緑化で最も多く使われたものの一つである。道路の法面緑化等に近年大量に使用されるようになった。緑化用のポット苗としての生産・流通があった。
増えすぎを防ぐためには、梅雨時に刈り払いを行い、結実を防ぐことが必要である。
河川の土手等に黄色い花を一斉に開花することから、地域の住民に親しまれている場合がある。
※ 通称につきましては、必ずしも正確なものではない可能性もありますので、ご注意ください。
※ 被害状況につきましては、代表的な事例を挙げています。