天安門事件から28年を前に 香港でデモ

天安門事件から28年を前に 香港でデモ
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中国で民主化を求める学生たちの運動が武力で鎮圧された天安門事件から来月4日で28年となるのを前に、香港で市民がデモ行進を行い、習近平指導部の下で人権派弁護士などへの締めつけが強まっているとして抗議の声を上げました。
デモ行進は、1989年の天安門事件当時、中国の民主化運動を香港から支援した元学生などでつくる市民団体が毎年行っているもので、ことしは団体の発表でおよそ1000人が参加しました。

参加者たちは、中国政府が一部の学生による「暴乱」とした天安門事件の評価の見直しを求めたほか、習近平指導部の下で人権派弁護士や民主活動家などへの締めつけが強まっているとして抗議しました。

人権派弁護士を支援する香港のNPOによりますと、おととしには人権派弁護士など200人以上が警察当局に一斉に調べられたり拘束されたりしたということで、中心的な存在だった弁護士が国家の転覆を図った罪で懲役7年を言い渡されるなど、5人が実刑判決を言い渡されたほか、今も6人が拘束されたままだということです。

このNPOは、刑罰のより重い、国家の転覆をはかった罪やあおった罪が適用されるケースが目立つようになり、拘束中の過酷な取り調べも問題だとしています。

デモに参加した20代の男性は「中国当局は、人権を守るためにあるはずの法律を、人々をコントロールするために利用していて不当だ」と話していました。