◆ドント・ブリーズ 鑑賞◆
(原題:Don't Breathe)2016年公開上映時間:88分
オススメ:★★☆☆☆
・監督:フェデ・アルバレス
代表作:『死霊のはらわた』(2013)
・脚本:フェデ・アルバレス
※製作にはサム・ライミが参加してます。
★出演者★
ジェーン・レビディラン・ミネット
ダニエル・ゾバット
スティーブン・ラング
◆summary◆
映画会社も商売だから、物語を何とか売らないといけない。あれやこれやと手を打つことを決して悪いと言っているのではございません。
ただし、誇大にやりすぎるとダメかもわからんねと個人的には思うのです。
タイトル、キャッチフレーズ、公開までにつかわれる言葉。
有名な映画評論家の方が過去のラジオでこの作品を絶賛していましたが、
どうしてなのか?と首をかしげてしまったのがホントのところ。
どっちの側に立てば良いのか迷ってしまうような設定に見る側を放り込むのは
ちょっといただけないかな。
この作品から何かを得ようとお思いの方、何か意味を見出そうとお思いの方、
他の映画をご覧になることをオススメしますΣ(´∀`;)
毎日ストレスに囲まれて、休みの日ぐらいビール片手に思いっきり映画にツッコみたい人は御覧ください。
村上春樹の「1973年のピンボール」の受け売りではないですが、この映画はおそらくあなたを何処にも連れて行きはしません。
わたしはただ水樹奈々さんの吹替が聴きたかっただけだと言い訳をしています。
◆comment◆
ずいぶんと大風呂敷を広げましたなΣ(´∀`;)20年に一本の恐怖の作品とか言えるほうが恐怖です。
全米がこれで震撼したのなら、モラルが崩壊しているってことになっちゃうじゃん。
6/1の『ローガン/LOGAN』公開を控えて、お休みだし繋ぎで何か借りておこうと手に取ってしまったのが運の尽き。
これなら素直にベン・アフレックの『夜に生きる』を観に行けばよかった。
主演はこの監督の前作であるリメイク版『死霊のはらわた』でも主演のジェーン・レビ。
脇を固めるのは『グースバンプス モンスターと秘密の書』に出演のディラン・ミネット(片思いベイビー)。
ジェーンの恋人役で、ある意味今作の見せ場を作ってくれたダニエル・ゾバット。
そして作中の恐怖の大王として登場するのは、『アバター』でほぼ生身での人類最強を演じたスティーブン・ラング。
ワタクシは今作の彼を盲目のビッグボス(byMGS)と呼ばせていだきます。そっくりだし。それにしか見えなかったし。
ビッグボスを知らない方は小島秀夫監督のメタルギアソリッドを検索ください。
フムン。どうしたもんか。。
あらすじは予告編に譲ります。
物語は簡単に言いますと、追いかけっこです。
ただし、予告編や公式サイトへのツッコミ。
主人公たちを一方的に襲われる被害者のように描いていますが・・・・
待って、君らこの盲目のおじさんから大金盗もうとして、押し入った強盗だよね。。。。
しかも人の家に盗みに入るの今回が初めてじゃないし、手慣れてるよねΣ(´∀`;)
それなのに押し入った先に超人が出現したら、急に被害者みたいな顔して半ば泣きながら助けを求めようなんて、どんだけ都合いいんだよ!!!!!
オープニングカットは好きです。
ご覧になったかたはお解りだと思いますが、盲目のビッグボス(もはや定着)の執念を上映開始すぐに垣間見れるのは素敵。
というより、たしかに事前知識がないと、恐怖の予感バリバリです。
ハードな方の「ホーム・アローン」もしくは自業自得のサーチ・アンド・デストロイ。
そうです。マコーレー・カルキンにあたるのがビッグボスなだけです。
オープニングカット後の導入シーンで彼らの人となりを紹介する場面があるのですが、
すでに泥棒。悪びれてない。
「やりましょ」
なんて、ショッピングするみたいに人の家のものを盗む盗む。
悪いことしている感じなど微塵もありません。
やってることはこそ泥程度の盗みなのでスタイリッシュさも何も醸し出していない。
悪いんだけど、ワルに徹しきれていない。
しかも盗みの手口は仲間の優男くんの父親が警備会社に勤めているのを良いことに、
システムを導入している家のセキュリティを解除しちゃうって確信犯。
少なくともジェーン・レビ演じる主人公は複雑な家庭の事情もあり家を出たがっていることは解りますが、その手段として「人の金、それも盲目で娘を事故で失くした男が賠償金として受け取った金」を元手にしようなんて、どこのGTAですかい???
こういうホラーとかスリラーって、ほぼ(笑)善良な主人公たちが不条理に巻き込まれることで観る側は感情移入できるのに、冒頭からの彼らの態度に気持ちが冷めていきました。。。。
とまれ、そういうことは全く無視して、老人宅に侵入する彼ら。
予告編で既に壮大な「追いかけっこ」のヒントはネタバレしていますね。
スティーブン・ラング演じる今回の被害者が、盲目ながら驚異的な戦闘能力を持った超人なんです。もうチートです。ビックボスです。
主人公3人組が彼に遭遇する。
そこからが一方的なビックボスのターンです。
「スネーク、まずCQCの基本を思い出して・・・」
主人公の恋人役、ダニエル・ゾバットが奇しくもMGS(この場合3か)の名シーンさながらの再現で瞬殺。
そうそう。
こういうのが観たかったんだよ。。。。
あ、気が付くと主人公ではなくて、ビッグボスを応援している。。。。
これが今作の最大の恐怖ですね。
だって、彼は泥棒と対峙しているだけでしょう。。。
100歩譲って、このビッグボスも狂気に取り憑かれた人ですよ。
劇中に明らかになりますが。
この映画はどこにも連れて行ってくれない、と冒頭で述べたところに戻るのですが、
狭い場所で繰り広げられる壮大な追いかけっこ、その「状況」だけを観るのがこの作品です。ドラマっぽい要素はありますが、それならば主人公たちのキャラ付けをもう少し「普通の人」に寄せるべきです。
強盗に入るという設定より、興味本位で妙な噂がある屋敷に忍び込む青年たちが襲われるというのなら、何倍も主人公たちに愛着が持てるのですが。。。
そもそも悪いの君たちじゃん。。。。。
開き直ってビックボスを悪の権化の如くしちゃいかんよ。。。
無理矢理教訓をひねり出すなら、もう「触れてはいけないものもある」って平凡なものですか。
こういう主人公たちに共感はできませんでした。
あえて人にオススメは致しません。
この記事に関しては、どうして冷めちゃったのかを覚えておくための備忘録として書きました。
どうしたんだサム・ライミ。。。
とは言え、この作品。
続編の話が出ているようです。
ただただビックボス観たさに、個人的には続編期待しちゃいます。
2017年映画鑑賞 89本目
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