自民、前次官の喚問拒否 野党「納得できぬ」
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人加計(かけ)学園(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、自民党の竹下亘国対委員長と民進党の山井和則国対委員長が26日午前、国会内で会談した。山井氏は民進、共産、自由、社民の野党4党の総意として、「総理のご意向」などとして早期開学を促されていた文書が存在すると発言している文部科学省の前川喜平前事務次官の証人喚問を要求。これに対し、竹下氏は「必要ない。政治の本質に何の関係もない」などと拒否する考えを伝えた。【真野敏幸、光田宗義】
また、山井氏は、安倍首相が出席する衆院予算委員会の集中審議を開くよう求めたが、竹下氏は「首相が海外出張中で即答はできない」などとして回答を留保した。
この後、記者会見した山井氏は「全く納得できない。今までの政府の説明と違う真相を前川氏が発言し、証人喚問に応じると言っている。なぜ自民党は拒否するのか」と批判。「今までの政府の虚偽の説明、隠蔽(いんぺい)がばれるのが困るということか。国民に対して不誠実な態度は許されない」と語気を強めた。
自民、民進両党の会談に先立ち野党4党の国対委員長が対応を協議。終了後、共産党の穀田恵二氏は記者団に「首相に対する疑惑が増している」と主張。自由党の玉城デニー氏は「不退転の決意で諸問題を国民の前に明らかにしなければならない」と語り、社民党の照屋寛徳氏は「首相、官房長官を含めて大きな疑惑があり、真相究明すべきだ」と訴えた。