バナナダイエット、りんごダイエット……など。ダイエットに効果のあると言われる食べ物にはさまざまありますが、おにぎりダイエットなんて方法もあるようです。今回はおにぎりダイエットの方法と効果について、米屋3代目の社長であり5ツ星お米マイスター・澁谷梨絵さんの解説を元に紹介します。
■おにぎりダイエットとは? 方法とその効果
ダイエットのため、「炭水化物を抑えたことがある」という人は少なくないでしょう。しかし、お米を食べて痩せる、「おにぎりダイエット」なんて方法もあるようです。なぜ、おにぎりを食べて痩せることができるのでしょうか? 米屋3代目の社長であり5ツ星お米マイスター・澁谷梨絵さん先生に教えてもらいました。
◇EXILEメンバーも絶賛! おにぎりを食べて痩せる理由
EXILEメンバーのTAKAHIROさんが実践し、EXILEメンバーも取り入れたと話題になったおにぎりダイエットですが、「本当に痩せるの?」と半信半疑の方も多いでしょう。実はご飯には、ホカホカの状態で食べるよりも常温で食べることで、小腸での吸収を鈍らせ、抑える作用があるのです。「おにぎりダイエット」は、この作用を活用したダイエット方法です。
◇おにぎりダイエットの具体的な効果
具体的な効果は以下のとおりです。
☆快便効果
ご飯には約60%もの水分が含まれるので、おにぎりを食べることで水分も身体に補給でき、消化を促します。また、しっかり噛んで食べることによって唾液がしっかりと出て、消化吸収を促し快便効果も期待できます。
☆小腸での吸収を抑制
ごはんは、おにぎりの状態(常温)で食べることによって、でんぷん質が「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に変わります。このでんぷんは、小腸での吸収を抑制し、体内に留まりにくくします。
☆脂質や糖質をカット
現代人は脂質や糖質を“おかず”から摂りすぎていると言われています。実際に、ご飯中心の食生活であった50年前に比べて、今は一人当たりのご飯の消費量が半分に減る一方、おかずの摂取量が増えて、生活習慣病になる人が増えています。おにぎりダイエットはご飯中心の食生活を取り戻し、余分な脂質や糖質を必然的にカットしてくれます。
☆血糖値の上昇が緩やかに
お米はしっかり噛んで食べることで、消化・吸収をゆるやかにし、体脂肪の合成を促すホルモン「インスリン」の分泌を緩和します。太りすぎや糖尿病予防にも効果的だと考えられています。
☆腹持ちがいい割に低カロリー
お米には、「腹持ちがいい割に低カロリー」といった特徴もあります。小腹が空いたときはついスナックや甘いものを食べがちですが、そんなときこそおにぎりを食べると太りにくくなります。
というのもポテトチップス1袋分(85g=476Kcal)は、おにぎり約3個分(528Kcal)、ショートケーキケーキ1カット分(100g=360Kcal)はおにぎり約2個分(352Kcal)のカロリーに相当するためです。ポテトチップスを1袋食べたところで小腹は満たされません。間食するなら断然、おにぎりを食べた方がヘルシーです。
◇おにぎりダイエットの方法
常温のおにぎりをメインに、みそ汁とおかず(野菜中心)を食べるだけでOKです。この食事を体内環境が生まれ変わるまでの3~4日ほど続けましょう。お米は1日2~3合分(おにぎり6~8個)を朝、昼、おやつ、夜に分けて食べます。
おかずは野菜を中心にし、必要なビタミンやミネラル分を補いましょう。太る元となる脂肪分を減らすことで、身体の中から断食のような状態ができ体質が改善されます。みそ汁の具はできるだけ野菜のみにして、肉や魚は使わないようにしましょう。
☆摂取量(成人女性の場合)
1日2~3合分(おにぎり6~8個)
☆摂取するタイミング
朝:2~3個昼:2個おやつ:1個夜:1個
上記程度のおにぎりをメインに摂取
■おにぎりダイエットのポイント&注意点
おにぎりダイエットの効果や方法がわかったところで、続いて実践する際のポイントや注意点について見ていきましょう。
◇ポイント
☆おにぎりは冷たくして食べる
コンビニエンスストアで販売されている程度の常温で食べる。ホカホカのおにぎりはNG。☆おにぎりの具はできるだけシンプルに
おにぎりの具材は、できるだけシンプルな具材にしましょう。梅干しや漬物、昆布など、低カロリーのものを取り入れるとより効果的です。
☆朝は必ず食べる
朝、おにぎりをしっかり噛んで食べることによって、身体を温め代謝を活発に促すことができます。また、おにぎりの糖分は脳を活性化させるので、朝は必ずおにぎりを食べるようにしましょう。ただし、朝にしっかりおにぎりを食べた分、昼や夜を抜いていいわけではありません。朝から夜に向かって摂取量を少なくし、必ず3食(おやつを食べる場合は4食)食べるようにしましょう。
☆おみそ汁を1日1回は食べる
おにぎりダイエット中は、どうしても栄養価が偏りがちです。そこでたんぱく質を補うためにも、1日1回はおみそ汁を一緒に摂ることをオススメします。味噌の原料となる大豆のたんぱく質を効率的に摂取できます。
◇注意点
☆長期間やらない
健康的な食生活とは、バランスの摂れた栄養価を摂ることです。脂質や糖質カットをし続けてしまうと必要な栄養素も摂ることができなくなってしまいます。そのためおにぎりダイエットは、3~4日、長くても1週間続けたら次の1週間はお休みするという形で無理のない取り組み方をしましょう。
☆不足しがちな栄養はサプリメントなどで補う
おにぎりダイエットは栄養価が偏りがちなため、足りない栄養素はサプリや野菜、おみそ汁の具材などで補いましょう。身体に必要となる最低限の脂質や糖質までカットされると、ビタミンやミネラル分の不足からダイエットが本末転倒してしまいます。
☆体質と合っているか見極める
ダイエットは、その人それぞれで向いているかどうかの傾向が異なります。おにぎりダイエットも一度試してみて合っているかどうかを見極めてから、続けるかどうかの判断をしてください。
■まとめ
お米研究家によるおにぎりダイエットの方法と効果について紹介してきました。いかがでしたか? ダイエットといえばつい炭水化物を抜いてしまいがちですが、お米はとってもヘルシーなことがわかりましたね。「ダイエット中もお米は食べたい!」「短期間で体質を改善したい!」という方は、おにぎりダイエットを試してみては?
(監修:澁谷梨絵)
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