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大西議員、謝罪するも発言撤回せず

大西英男衆院議員

発言趣旨「喫煙可能の店で無理して働かなくていいのでは」と

 受動喫煙対策を議論した自民党厚生労働部会で「(がん患者は)働かなくていい」という趣旨のやじがあった問題で、大西英男衆院議員(東京16区)は22日記者会見し、自らの発言で誤解を与えたことを認め「(がん患者らの)気持ちを傷つけた」として謝罪した。しかし、発言は撤回せず「『喫煙可能の店で無理して働かなくていいのではないか』との趣旨だ」と釈明した。

     やじは、15日に開かれた部会で、三原じゅん子参院議員が、職場でたばこの煙に苦しむがん患者の立場を訴えた際に飛んだ。大西氏は会見で「飲食店での従業員の受動喫煙を議論する中での発言で、(広く一般の)がん患者が働かなくてもいいという趣旨ではない」と強調した。

     一方、がん患者団体や支援団体は22日、会見を開き、大西氏の発言について「政府が治療と仕事の両立を支援する政策を進めている中で、逆行する発言」と批判した。

     がんと分かると離職を求められるなど、働きたくても働けない現状もある。全国がん患者団体連合会(東京都世田谷区)の天野慎介理事長は「がん患者の就労はまだまだ厳しい中、危機感を持っている。患者らからも怒りや悲しいという声が寄せられている」と述べた。就労支援に取り組む患者団体は「病気を隠して働く患者も多く、喫煙のある職場環境に声を出せない人もいる」と指摘した。

     国は2012年策定の第2期がん対策推進基本計画に基づき、治療と仕事の両立支援を打ち出すとともに、昨年成立した改正がん対策基本法でも、患者が仕事を続けられるよう企業に配慮を求める施策を柱とした。3月にまとまった政府の働き方改革の実行計画でも、治療と仕事の両立を支援するコーディネーターの配置が盛り込まれるなど、支援策の拡充が進められている。

     菅義偉官房長官は22日の会見で「がん患者をはじめ病気を抱える方の就労支援は重要」と政府の考え方を説明した。

     大西氏は15年に党の勉強会で「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなるのが一番」などと発言し、党から厳重注意を受けた。昨年3月には「『みこさんのくせになんだ』と思った」との女性蔑視とも受け取られかねない発言で批判を浴び、謝罪するなど失言が問題化している。【山田泰蔵、下桐実雅子】

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