マーベルが誇る至高のスペースオペラ映画第二弾『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』。今回は銀河を守る緑の復讐鬼「ドラックス」を演じた元プロレスラーにして俳優のデイブ・バウティスタにインタビューして参りました。
前作からのさまざまな変化、魅力的な新キャラクターなどに加え、趣味のランチボックス収集についてもお話を伺いました。
――ドラックスを演じる上でどんなことを意識していますか?
デイヴ・バウティスタ(以下、バウティスタ):ドラックスに関して一番大事なことは、彼が家族を失い心が壊れてしまったということだと思っています。それこそがドラックスの存在理由であり、彼の悲しみや怒りという感情は家族の喪失を通じて出てきているものだと考えながらやっています。
――家族といえばその敵討ちは一応のところ前作では果たしていますが、ドラックスには変化があったんでしょうか?
バウティスタ:そこに関しては変化はないと思っています。彼の復讐心に終わりはなく、次を倒せばまた次と続いて行き、喪失感が満たされることはないでしょう。もし彼が復讐を終えたと感じたのであればドラックスは存在しなくなってしまうと思います。
――大ヒットを記録した前作に出演して、自身としてはどんな変化がありましたか?
バウティスタ:急に有名になったというわけではありませんが、役者という仕事の面で大きな変化がありました。
プロレスラーから役者となった私をちゃんと見てもらえるようになりました。以前はオーディションに行っても、あくまでレスラーとして見られてそれ以上のものを見てもらえませんでしたが、表現者としての私に向けられる視線をドラックスは変えてくれました。
――今回色んな新キャラクターも登場しますが、共演して一番楽しかったのは誰ですか?
バウティスタ:それはもうマンティス役のポム・クレメンティーフですね。彼女は素晴らしい役者であり、マンティスをドラックスと同じような、ちょっと変な愛すべきキャラクターにしてくれました。
しかも笑わせてくれるだけではなく、その感情の起伏を豊かに演じきっていると思います。マンティスは彼女を、ストーリーを、もっと知りたくなる、皆のお気に入りのキャラクターとなることでしょう。
――今作で一番お気に入りのシーンはなんですか?
バウティスタ:本当に沢山あってすぐには選べませんが、今すぐに思いつくのは皆でキャンプファイアをしながら会話するシーンですね。
たくさんのアドリブが飛び交う撮影現場で、キャストが勢揃いしまるで普通の会話をしているような感じでした。そういう思い出深いシーンです。あとキャンプファイアというのにも何か特別なものがありますよね(笑)
これが今思いつくベストなシーンですが、明日同じ質問をされると変わっていることでしょう。それくらい素晴らしいシーンがたくさんある映画です。
――お気に入りといえばランチボックスの収集家としても知られていますが、そもそもなぜランチボックスを集めようと思ったのですか?
バウティスタ:他のものの収集家と同じく、私はそこに懐かしさを感じています。
私が最初に使ったランチボックスにも良い思い出があります。(同室にいる母親に向かって)母さんあれ覚えてる?
とにかく、ランチボックスに子供時代へのノスタルジアを感じているのです。
――今回の映画でドラックスの特殊メイクはどのように変わりましたか?
バウティスタ:メイクの所要時間がかなり短くなりました。前作のメイクはシリコンのシートが使われており、貼るのに時間がかかる上に私の身体全体を覆っていましたが、今回は薄くなり、それぞれの入れ墨が個別のパーツとなっていて見た目もよくなっています。
言い換えれば、特殊メイクで筋肉を盛ることもできなくなったので身体を作らなければならないのですが(笑)
とにかく良くなったことばかりなのですが、1つだけの欠点として剥がすのが大変になりました。なので毎日撮影が終わると薬品で数時間かけてメイクを落としていました。何時間も撮影した後なので、なかなか疲れるものでした。
――アクション・シーンでは大変なところはありましたか?
バウティスタ:前作は格闘シーンが多めでしたが、今回はワイヤーアクションが中心でした。ただ、大変というわけではなく私にとっては「お楽しみ」でした。
私としては身体能力的に辛いことはありませんでした。見た目に反してタフなので(笑) それに、素晴らしいスタントダブルもいるので本当に危険なものは彼がやってくれました。
大変な面で言えば、覚えなければいけない振り付けが多いので、時間がかかるというところでしょうか。
――筋肉という面で言えば、ドラックスをやるために特別なトレーニングなどはされましたか?
バウティスタ:長い間ずっとやっていなかったウェイトトレーニングを再開しました。
ウェイトトレーニングをやると身体が大きくなるのですが、そうすると役者としての仕事を探すのが本当に大変になるので止めていたんです。
そのため有酸素運動と総合格闘技のトレーニングを中心にやっていたのですが、今はウェイトトレーニングも週に3回ほどやっています。
――大変なところと言えば、完全にCGのキャラクターとの演技は大変だと思いますが、今回の映画ではその面に関してなにか変化はありましたか?
バウティスタ:ロケットに関しては、ヨンドゥの側近であるクラグリンを演じているショーン・ガン(注:ジェームズ・ガン監督の弟)が今作でも引き続きセットでロケット役をやってくれていて、他の役者が演技をする上で大きな助けとなりました。
一方、グルートは今回小さくなったのであんなサイズの役者がいるわけもなく、人形を使って目線の基準にするくらいでした。
ただ役者という仕事は自分の想像力を使うものだし、楽しくやれましたね。
役柄からは想像出来ないくらいに物静かで落ち着いた方で、ドラックスというキャラクターを真摯に演じているということが本当に伝わってきました。その一方で、ランチボックスの話になるとすごくニコニコしだしたりする可愛らしさも、ドラックスというキャラクターに反映されているのでしょう。
『リミックス』でのドラックスは、おもしろ可愛いおじさんという側面は倍増している一方で、家族を失った父親であるということを思い出させてくれるシーンも多く、前作以上に愛されるキャラクターになっていますので、要注目です!
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は5月12日(金)全国ロードショー。
・映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』のジェームズ・ガン監督にインタビュー:「私は子供の頃にランボーやスネークごっこをしながら育った」
photo: ギズモード・ジャパン編集部
image: (C) Marvel Studios 2017
source: 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』公式サイト
(傭兵ペンギン)