北朝鮮国営メディア「朝鮮半島で戦争が起きれば、最も大きな被害を受けるのは、まさしく日本だ」
(出典:北朝鮮国営メディア「朝鮮半島で戦争なら日本が最も被害」 | NHKニュース)
朝鮮半島では依然として緊迫した情勢が続いています。
北朝鮮は相変わらず、核実験や長距離弾道ミサイルの実験を繰り返しています。国際社会から孤立し、盟友であるはずの中国ですら北朝鮮に対し、『再び核実験を行えば独自制裁を科す』と警告しました。また、インド政府は朝鮮半島情勢の緊迫化を受け、北朝鮮との貿易をほぼ全面的に停止しました。
北朝鮮は、まさに孤立無援の状態なのです。
北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイルの実験は、国際平和を願う者として決して容認できるものではありません。
しかし、経済制裁は果たして正しいのか。経済制裁をすることで北朝鮮を黙らすことが本当にできるのか。ぼくは、そこに疑問を呈します。
国際社会から孤立し、世界を敵に回し、経済制裁をくらい、ニッチもサッチもいかない北朝鮮。
現在のこの状況、どこかに似ていないでしょうか。
太平洋戦争開始直前の日本も国際的に孤立していた。
日本は、1941年、アメリカのハワイにある真珠湾を奇襲をして、アメリカやイギリスとの太平洋戦争(大東亜戦争)に踏み切りました。開戦した理由は複雑ですが直接の原因は、アメリカが日本に対して石油の輸出を禁止したことだと言われています。
太平洋戦争前の世界情勢
この当時の世界情勢は、ドイツが1939年にポーランドに侵攻して、ポーランドと同盟を結んでいたイギリス、フランスがそれに対抗しドイツに宣戦布告。第二次世界大戦が始まっていました。
日本は1937年から中国と戦争をしていました。当時、満州国建国(中国東北部に日本が勝手に作った国)などで国際的に孤立していた日本は、ヨーロッパで勢いのあるドイツやイタリアと手を組み、日独伊三国軍事同盟を結びました。しかし、遠いヨーロッパの国と軍事同盟を結んだところで実質的な効果はなく、逆にイギリスを支援するアメリカとの対立を深めてしまいます。
アメリカは日本への石油禁輸、ABCD包囲網など、日本への経済制裁を課しました。
最終的に、アメリカは最後の提案として日本に『中国からの日本軍の撤退』『日独伊同盟の廃棄』『中国の満州国を解体する』などの条件を日本に突きつけました。この時代は帝国主義の時代でした。富国強兵、領土獲得競争の時代であり、生存圏を確保(経済のブロック化)しなければ、列強と言えども生存できない時代であり、中国大陸に生存圏を求める日本にとって、中国からの日本軍の撤退など到底受け入れることのできない要求でした。
そして日本は開戦を決意したのです。
連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサー元帥は、後年このように語っています。
「日本が戦争に飛び込んでいったのは、おもに自衛の必要にかられてのことだった。」
(1951年5月3日、アメリカ上院委員会にて)
マッカーサーですら、日本は戦いたくて戦ったわけではない、「自衛のためだった」と証言したのです。
北朝鮮の現在の情勢は当時の日本と似ていないだろうか
国際社会から孤立し、経済制裁を受けている北朝鮮が自衛のための戦争をしかけても不思議ではないと、ぼくは思っています。
戦前、世界は日本の中国侵略を理解してくれませんでした。日本には日本なりの考えがあっての中国侵略だったのですが、国際社会からは『なんて頭のイカれた奴らなんだ』と思われていました。国際社会からの理解もなく、世界から孤立し、国の存亡をかけて戦っていた中国との戦争も経済制裁によって継続困難になり、自衛のため、しかたなく真珠湾攻撃をキッカケにアメリカとの戦争を始めたのです。
現在、国際社会は北朝鮮を理解してあげていません。それは至極あたりまえのことで、ぼくたちの感覚からして到底、理解できるものではないからです。まるで当時の日本がそうだったように。
北朝鮮への経済制裁は本当に正しいのか
(出典:トランプ米政権、北朝鮮の核開発阻止へ国際包囲網=軍事力誇示、対話に含み:時事ドットコム)
日本が戦争に踏み切ったのはアメリカによる経済制裁でした。もしも経済制裁がなければ、沖縄でのひめゆり隊の悲劇や、広島・長崎への原爆投下もなかったかもしれない。
たしかに北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイルの実験は悪い事です。しかし、当時の日本が中国へ侵略したのが国の存続をかけて、しかたなくやった事だったように、北朝鮮による核実験や長距離弾道ミサイルの実験も国の存続をかけてやっていることではないのでしょうか。
トランプ大統領は北朝鮮包囲網を東南アジアにまで広げようとしています。
(参照:トランプ大統領の「北朝鮮包囲網」、東南アジアに拡大(字幕・1日) | マイナビニュース)
まとめ
北朝鮮に対する国際社会からの圧力によって、東アジアに平和がもたらされる日がくるのでしょうか。他に方法はないのでしょうか。
最後に日本のことわざを、ひとつ紹介して今日は終わりたいと思います。
窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)
絶体絶命の窮地に追い詰められれば、弱い者でも強い者に逆襲することがあるというたとえ。
ありがとうございました。