火元は「ガスバーナーでゴキブリ駆除」
県警が飲食店男性従業員を重過失失火容疑などで書類送検へ
広島市中区の雑居ビルで2015年10月、メイドカフェの従業員と客計6人が死傷した火災で、飲食店の男性従業員が、出火直前に火元とみられる1階階段のごみ置き場付近で「ガスバーナーでゴキブリの駆除をしていた」と説明していることが28日、捜査関係者への取材で分かった。広島県警は火災につながる行為とみて、近く男性従業員を重過失失火などの容疑で書類送検する方針。
捜査関係者によると、男性従業員はビルテナントの店で働いていた。県警の任意の聴取に対し、ごみ置き場付近でゴキブリにアルコールスプレーを吹き付け、ガスバーナーを使用したと話したという。県警は火がついたまま動き回るゴキブリなどを介して近くのごみなどに燃え移ったとみている。
また、ビル所有者とメイドカフェ運営会社社長が防火措置を講じる注意義務を怠った疑いがあり、県警は2人を業務上過失致死傷容疑で書類送検する方針。
火災は15年10月8日夜、中区流川町の2階建て木造一部鉄骨造りのビルで発生。1、2階にあったメイドカフェの客と従業員の計3人が急性一酸化炭素(CO)中毒で死亡し、3人が重軽傷を負った。一部の遺族は昨年、ビル所有者らを相手取って約8000万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こしている。【東久保逸夫】