1. まとめトップ

山本幸三地方創生担当相が、2017年4月16日の講演後の質疑で「学芸員はがん」発言

山本幸三大臣は、その学芸員批判の中で「外国の有名博物館も改装に抵抗する学芸員を全員クビにして成功した」と例示した

外国の有名博物館が改装した際のことを引き合いに出し、「学芸員が抵抗したが全員クビにして大改装が実現した結果、大成功した」などとも述べた。

出典「学芸員はがん。連中を一掃しないと」 山本地方創生相:朝日新聞デジタル 2017年4月16日20時21分

山本幸三大臣が、例示した「抵抗する学芸員を全員クビにした外国の有名博物館」とは大英博物館のことだった

その上で、外国人に十分な説明ができていないと指摘。大英博物館も学芸員を辞めさせて成功したとして批判した。

山本幸三大臣は、2017年3月9日の参院内閣委でも「大英博物館が、改革に抵抗する学芸員を全員クビにした」と答弁していた

山本幸三大臣の3月の国会答弁ではより詳細に「ロンドン五輪の文化プログラムで、大英博物館は大改装を計画し、それに抵抗する観光マインドがない学芸員は全部クビにして成功した」と話している

○国務大臣(山本幸三君)

 ロンドン・オリンピックのときに観光を盛り上げるという意味で成功したと言われているのが、文化プログラムをつくって、ロンドンのみならずイギリス全体の美術館、博物館を観光客のために大改革をしたんですね。例えば、大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました。そのときに一番抵抗したのが学芸員でありまして、そのときは観光マインドがない学芸員は全部首にしたというんですね。それぐらいの取組をやって、その後、ロンドンにまさに大英博物館を始め大変な観光客が継続して続くようになりまして、オリンピック終わってもにぎやかさを保っているというようなことであります。

公明党の西田実仁参院議員の質問に対しての、山本幸三地方創生担当相の答弁

大英博物館が学芸員をクビにする改革を行ったのは、2012年のロンドン五輪の時のことだそう。

ただし、この「ロンドン五輪の改装で大英博物館が学芸員をクビ」の日本語ソースはネットではなかなか見つからない

もしかして、ニール・マグレガーの大英博物館改革のことか?

山本幸三大臣が話す「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くという」改装はグレート・コートのことか?

「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました」というのは、ノーマン・フォスターによるグレート・コートのことだと思うのですが、これは、オリンピック開催… twitter.com/i/web/status/8…

「大英博物館の中の壁を取っ払って、真ん中に人が集まるところをつくって、そこからいろんな部門に行くというように全部やり替えました」というのは、ノーマン・フォスターによるグレート・コートのことだと思うのですが、これは、オリンピック開催決定の4年前の2001年に完成しています。

この大改装が行われたのは、1997年までそこにあった大英図書館がセントパンクラスの新館に移ったからで、オリンピックのためではないですよね。

「観光マインドがない学芸員は全部首にした」事実があったかは分かりません。ロンドンオリンピックの文化プログラムを含むイギリスの文化政策については研究が進んでいるので、明日調べてみます。

山本大臣の話の元ネタはロンドンオリンピックの際の大英博物館改装に纏わる話らしい。改装があったことや、オリンピックが観光庁の計画通りインバウンド利益を得られたことは資料として見つかった。しかし、肝心の学芸員が抵抗して全員解雇になったこと、その背景を示す資料が見つからない。

山本幸三大臣の、学芸員批判の元ネタは? 誰の受け売り?

「30年前は、大英博物館もこうでした。ただ展示品を見せているだけで、学芸員たちは自分の研究に没頭して、見学者相手に説明などしませんでした。むしろ、見学者の相手をするくらいなら博物館を辞めるとまで言い張っていました。そういう学芸員たちは、最終的にいなくなりましたがね」

他の意見も

文化財の活用が重要との考えを示しつつ、「文化財に指定されると、部屋で水や火が使えず、お花もお茶もできない。バカげたことが行われている」と指摘。「学芸員は自分たちがわかっていればいい、わからなければ(観光客は)来なくてもいいよというのが顕著」などと述べた。

山本幸三大臣の発言

貸すことはできるが、火が使えないと言うのです。火といっても焚き火をしようというわけではなく、茶室のなかの炉に釜をかけてお湯をわかすだけですが、「とにかく火気厳禁です。電気を使ってください」の一点張りでした。

デービッド・アトキンソン氏の本

デービッド・アトキンソン氏は、政府の「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」のメンバーにも名を連ねるなど、政府の観光政策に関わる人物

[PDF]第1回 明日の日本を支える観光ビジョン構想会議ワーキンググループ議事要旨
www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/wg_dai1/gijiyousi.pdf

[PDF]政府における新たな検討の状況について - 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/common/001122818.pdf

[PDF]JNTO 観光立国シンポジウムの開催について
www.jnto.go.jp/jpn/news/press_releases/pdf/20150806.pdf

[PDF]観光立国ニッポン - 日本プロジェクト産業協議会
www.japic.org/information/2016/01/06/20160105_05.pdf

[PDF]平成28年度行政事業レビュー公開プロセス「国際会議等(MICE)の誘致・開催の促進」議事録 - 国土交通省
www.mlit.go.jp/common/001154817.pdf

山本幸三大臣の発言と、デービッド・アトキンソン氏の観光政策への文化財活用の提言との比較考察

1





このまとめに参加する



  • 話題の動画をまとめよう