斎場での通夜や告別式で家人が留守にしている住宅を狙った空き巣が後を絶たない。戸締まりをしても、窓や扉を破られ現金や貴重品を盗まれてしまう。茨城県警はパトロールを強化する一方、隣近所への声掛けや警備業者に見回りを依頼するなど自主防衛策を取るよう、呼びかけている。【加藤栄】
県警生活安全総務課と捜査3課によると、家族に不幸があった住宅を狙った空き巣は、昨年1月~今年3月27日に31件。今年に入って後は17件が発生し、既に昨年1年間の14件を上回っている。
31件の被害総額は現金だけで約230万円に上り、指輪やネックレスなど貴金属のほか香典袋や車が盗まれたケースもあった。鍵を閉めずに被害に遭った6件を除き、約8割がガラス窓や扉を壊され侵入されていた。
ある捜査員は「喪服姿の人が出入りするのを犯人が見ている可能性」を指摘。「新聞の『おくやみ』欄も情報源になる」とも推察する。葬儀を自宅でなく斎場で営むようになった慣習も背景にあるようだ。
◇「不幸につけ込み許せない」
「人の不幸につけ込んで……本当に許せない」。今年3月下旬、夫(享年69)の告別式で留守にしていた間に空き巣に入られた水戸市の無職女性(66)は憤りを隠さない。
一戸建ての自宅を出たのは午前9時ごろ。約7時間後に帰ると、窓の鍵付近のガラスが割られ棚の上に飾った写真額が乱れていた。たまたま現金などの被害はなかったが、侵入された窓に2重の鍵とアラームを付け、玄関の鍵も付け替えた。自宅裏にセンサーライトも設置し、約10万円の費用がかかった。
それでも、後味の悪さを抱えながらの1人暮らしが続いている。女性は「葬儀で留守にする人には(知人ら信頼できる)誰かを家に残したり、アラームを付けたりして、と声を大にして言いたい」と訴えた。
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