周りから慕われる人

東京渋谷のワインバー・bar bossaで、お店に訪れる様々な職種の人たちと触れ合ってきた林伸次さん。林さんから見て「成功する人」にはとある条件があるそう。それは「他人から慕われる人」。ではどんな人が人から慕われるのでしょうか。林さんが解説します。

一流になれる人と二流の人の違い

いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。

そういう人と接した経験がなくても、なんとなく想像できると思うのですが、「本物の成功者」であればあるほど、謙虚で物腰が柔らかい方が多いですよね。すごく偉そうに振る舞ったり、自分の権力や地位のことを言いがちな人でちゃんと成功している人って、あまり見たことがありません。

これ、やっぱり謙虚な人の方が敵を作らないから成功しやすくて、横暴に振る舞う人は煙たがられて上にはいけず、二流にとどまってしまうってことでしょうか。あるいは本当に成功する人は、権力とか地位のようなものを意識しているのではなくて、「世の中のためになりたい」とか「世界をより良い方向にしたい」といった別の動機で行動しているから、元から嫌な感じがしないのでしょうか。そして二流な人たちは権力や地位にこだわっているから、そういうシーンで権力を振りかざすのでしょうか。

渋谷という大都会の深夜のバーで接客していると、そういう色んな方と接するので、どうしても「どうしてこの人は成功するんだろう」とか「どうしてこの人はここで終わりなんだろう」ということを考えてしまいます。いろんな人がその人のところに集まってきて、みんなが慕い、みんながその人を手助けして成功する、その「成功する人」の条件っていくつかあると思います。

まず、「生まれついてのオーラがある人」。これはもうそう呼ぶしかないんです。起業して成功を手に入れてからそれっぽい雰囲気が出てくる人もいますが、本当のそういうオーラがある人は「いや、あの人は学生で若いときからそういう何かしそうな雰囲気があったよ」って言われたりします。

あと、そういう人って「高い志がある人」だったりしますね。貧困地域の人たちに雇用と機会を作りたいと考えて動いている人とか、新しい発明で世の中をより良くしようと考えている人とか、お金とか地位が目的ではなくて、ただ夢を追いかけている人って自然と人が集まってきます。

こういう「成功する人」の条件って、なんとなく想像がつくと思うんです。でも、生まれついてのオーラと志の高さと言われても、これから成功したい人にとってはいまさら言われてもですよね。だから、それ以外のそんな人の条件も考えてみたいと思います。

人が集まってくるのはこういう人

ある有名な企業で働いていた人がいました。彼、すごく仕事ができて、大きい仕事をたくさんしていたんですが、ある日そこを辞めてフリーになったんです。その時はその会社の人だけでなく、外の人たちからも「独立おめでとう!」なんて言われていました。でも、みんなその後はちょっとづつその彼とは連絡をとらなくなって、ちょっとづつ離れていって、彼、完全にその業界から消えてしまったそうなんです。今、どこで何をやっているのかもわからないそうです。

どうやら、みんなが彼と仕事をしていたのは、彼が所属していた組織の名前が大きかったからのようなんです。彼がすごく優秀だったのはみんな知ってたし、人付き合いも普通にやっていました。でも、みんな「フリーになった彼」とは働こうとはしませんでした。

この話が印象的で、どうしてなんだろうって僕はよく考えるんです。思うに、「ただ能力が高い人」という理由だけでは、人はあんまり集まってこないです。そもそも人って、「能力が高い人」をあまり好きじゃないんです。

僕が考える、まわりに人が集まるのは、「誠実で大真面目で、でも不格好で、たまに失敗したりする人」です。そういう人にはみんな集まってきます。もう一度、言いたいのですが、「ただ能力が高い人」ってやっぱりみんなそんなに好きじゃないんです。というのは一緒に仕事をしていて「その能力が高い人に、自分のことを『こいつ能力が低いなあ』って判断されたくないから」だと思うんです。

経験ないですか? すごく能力が高い人に「おまえ、仕事できないなあ」って言われたり、そういう扱いを受けたりしたこと。経験がなくても、想像するだけで絶対にイヤですよね。たぶん、そういうのがイヤだから、みんな「ただ能力が高い人」って好きじゃないんです。

で、能力が高くても、不格好で、たまに失敗をする人をみんな好きなんだと思います。これを僕は「岡村靖幸力」と呼んでまして、他にぴったりの人が思いつかないので、岡村靖幸を使っているのですが、岡村靖幸を知らない人は検索してみてください。

人に好かれて、みんなが集まってくるには、誠実で大真面目で、でもちょっと不格好じゃなきゃダメなんだろうなって思います。で、能力があったのに業界から消えてしまったその彼は、能力が高いだけで、その誠実さと不格好さがなかったのかなって思います(もちろん他にも色々と原因はあったと思いますが)。でもそういう「不格好な姿を見せられる」って、やっぱり生まれつきと言いますかそれまた「才能」なのかもしれません。

不格好な姿、見せられますか? 失敗した姿、見せてますか? 完璧だと人は慕ってくれないですよ。もし人が集まってくるような人になりたいなら、まずはプライドを捨て、人からよく見られたいという意識を捨て、正直で誠実な人間を目指してみてはいかがでしょうか。

林伸次さんの新刊が発売中です!

ケイクス

この連載について

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ワイングラスのむこう側

林伸次

東京・渋谷で16年、カウンターの向こうからバーに集う人たちの姿を見つめてきた、ワインバー「bar bossa(バールボッサ)」の店主・林伸次さん。バーを舞台に交差する人間模様。バーだから漏らしてしまう本音。ずっとカウンターに立ち続けて...もっと読む

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komachibypass "僕が考える、まわりに人が集まるのは、「誠実で大真面目で、でも不格好で、たまに失敗したりする人」です。そういう人にはみんな集ま..." https://t.co/FWlxS1GuP2 https://t.co/ABgdbKuGIp #highlite 約2時間前 replyretweetfavorite

apotton まわりが放っておけない人で、まったく同じ人を思い浮かべてたから、ビックリ!!笑 ホントそう!!!> 約3時間前 replyretweetfavorite

haruka7116 https://t.co/LjXcFd0TTa 約3時間前 replyretweetfavorite

ryuzo_takahashi 斜に構えて読んでたけど、岡村ちゃんで一気に持って行かれたw 約4時間前 replyretweetfavorite