「雪崩が発生しやすい典型的な地形だ」。高校生ら8人が死亡した栃木県那須町の雪崩事故をめぐり、28日に現地を調査した専門家らは、事前に雪崩の発生を予想できた可能性を指摘した。県警は同日、業務上過失致死傷容疑での捜査に本格的に乗り出しており、雪崩の発生をどの程度予測できたのかが、今後の焦点となりそうだ。
この日、防災科学技術研究所雪氷防災研究センター(新潟県長岡市)は調査員3人が現場を調査。その結果、事故後に積もった深さ30センチの雪の下に柔らかい雪の層を発見した。結晶同士の結合が弱く崩れやすい性質で、地表近くの固い雪の層の上を柔らかい雪の層が滑る「表層雪崩」が起きたとの推定が強まったという。
当時、生徒らは深い雪の中を進む「ラッセル」の訓練のため、ゲレンデを外れた沢状の地形を登り、傾斜が緩やかになった台地状の場所で休憩していたところ、山側の急斜面で雪崩が起きたとみられる。捜索現場に入った那須山岳救助隊の高根沢修二副隊長(67)は「現場はくぼ地のようになっていて、そこに向かって雪崩が発生したようだ」と証言する。
28日に現地調査を行った「日本雪崩ネットワーク」の出川あずさ理事(56)も、この地形に着目する。山側の急斜面は30度以上あり、風を遮るものがなく、樹木が少ないなど雪崩の発生条件がそろっていた。「講習を受ければ分かるような教科書通りの危険箇所。むしろもっと大きい雪崩が起きた恐れもある」という。
調査では、「デブリ」と呼ばれる雪崩後の雪の塊も確認された。デブリから判断すると、今回の雪崩は幅約50メートル、厚さ40~50センチの雪が、約100メートルにわたって崩れた規模と推定された。雪崩は約200メートル上から急斜面を下ったとみられる。
今回の雪崩では那須町付近に雪崩注意報が出され、登山時には新たに約30センチの積雪を観測していた。県警はこうした事情を踏まえ、教員らの「予見可能性」を解明することになる。出川理事は「雪山の安全の基本は雪崩が起きやすい場所を避けること」と述べ、講習会のルートに疑問を呈した。
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