中国製アルミホイルを調査 政権初、不当廉売で
【ワシントン清水憲司】米商務省は28日、中国製アルミホイルの反ダンピング(不当廉売)調査に着手すると発表した。中国政府による輸出補助金の支給などが確認されれば制裁関税を課す。トランプ政権は中国などによる不公正貿易の取り締まり強化を掲げており、米メディアによると、政権初の調査開始となる。
米国では、適正価格以下でのダンピング輸出や政府補助金をテコにした輸出拡大が自国産業に損害を与えていると判断されると、反ダンピング関税や対抗関税が導入できる。中国からのアルミホイル輸入は2014年の3億2300万ドル(約355億円)から16年には3億8900万ドルに急増しており、米業界団体が調査開始を申し立てていた。ロス商務長官は声明で「政権は積極的な摘発を約束している。米業界や労働者が公正に扱われるようにする」と述べた。
中国をめぐっては、過剰な生産能力を背景にした安価な鉄鋼製品の輸出急増が、貿易相手国の関係業界の経営不振を招いていると問題化。米国では鉄鋼製品と並びアルミ製品の流入も問題視されており、商務省は政権初のダンピング調査の標的に中国製品を選んだ形で、米中間の貿易紛争に発展する可能性がある。