運営する「まとめサイト」で無断転載などが横行し、社会問題化しているIT大手・DeNAが、被害者に金銭の支払いを提案しています。「ご迷惑料」として、画像の転載1カ所あたり1000円程度を提示。しかし被害者からは金額や、根拠を明かさない説明姿勢に反発の声もあがっています。
【内部文書】被害者に届いたDeNAからの「ご迷惑料」の文書 提示された金額を見てびっくり…
DeNAのまとめサイトをめぐっては、弁護士でつくる第三者委員会が今月、無断転載の可能性がある画像が最大74万7643件、記事が最大約2万件あると指摘。守安功社長が記者会見で「なるべく早く(被害者が)納得いく解決をめざしたい」と表明していました。その「解決」への具体的な交渉が始まった形です。
被害者3人を取材したところ、2人が盗用1カ所あたり1000円の迷惑料支払いを提案され、もう1人はより低額の提案をされていました。
被害者の20代女性は「驚きを通り越して呆れています」と話します。DeNA運営の「MERY」などにブログの画像7点が無断転載され、迷惑料7000円の支払いを提示されました。まとめサイトは一般利用者も記事を投稿できますが、女性の画像を無断転載したのはDeNAが雇ったライターでした。
盗用への請求額を決める場合、プロ写真家でなくても「著作権等管理事業者」の定めを参考にするケースがあります。その一つ、日本写真家ユニオンは1年間のネット掲載で1点につき2万5000円の使用料を定めています。
女性は、定めより安い提案も覚悟はしていましたが「まさか1000円とは、ちょっと意味が分かりません。これが許されたら結局、取材するより無断転載した方が安価に記事をつくれることになってしまう」と話します。今後、連絡をとりあっている他の被害者とともに、法的措置も検討したいといいます。
なぜ1枚1000円の「迷惑料」なのか?
14点の写真を無断転載された30代男性も不信感を覚え、DeNAに問い合わせました。すると、次のような回答が来ました。
「著作権侵害かどうかの評価は投稿者種別やコンテンツ使用方法によっても異なり難しいため、著作権侵害であると一般的に認められないようなケースにおいてもご相談者様にご迷惑をおかけしたということが明白なのであれば、そのことに対してお詫びすることの方が大切であるという想いから、ご迷惑料としての対応を進めさせていただいております」
男性は回答の中で、DeNAが著作権侵害を犯したかどうかの評価を「難しい」と主張したことに疑問を示します。「自らの責任を突き詰めて検証せず、写真使用料などの支払いを拒んでいるように思える」
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