米入国制限の大統領令 執行停止に ハワイ州の連邦地裁が仮処分

米入国制限の大統領令 執行停止に ハワイ州の連邦地裁が仮処分
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アメリカのトランプ大統領が今月署名した、中東とアフリカの6か国の人の入国を制限する大統領令について、ハワイ州にある連邦地方裁判所は全米で執行の停止を命じる仮処分の決定を出し、トランプ大統領にとって大きな痛手となりそうです。
アメリカのトランプ大統領は今月6日、中東やアフリカの6か国の人の入国を90日間、制限することと、すべての国からの難民の受け入れを120日間停止することを命じる大統領令に署名しました。

これに対しハワイ州は、大統領令は「『イスラム教徒禁止令』であり、それを執行することはハワイ州が特定の宗教を冷遇し憲法に違反することを意味する」として、州内にある連邦地方裁判所に執行の停止を求める仮処分の申し立てなどを行っていました。

審理が行われた結果、連邦地方裁判所は15日、信教の自由などを定めた憲法に違反するおそれがあるとして、全米で大統領令の執行の停止を命じる仮処分の決定を出しました。

トランプ大統領は、ことし1月に出した同じ目的の大統領令が、裁判所による仮処分の決定で執行が停止されたため、今回の大統領令では制限の対象を絞っていましたが、またも執行停止の判断が示されたことで大きな痛手となりそうです。

民主党「憲法にとって大勝利」

これについてアメリカの野党・民主党の全国委員会は、15日、声明を発表し、「トランプ政権にとって再び大打撃となった」と指摘しました。そのうえで「われわれの憲法にとっては大勝利だ。アメリカは、宗教に基づいて差別しない」と強調しました。