インテル、モービルアイを150億ドルで買収へ-自動運転分野を強化
- 自動運転の分野で優位なクアルコムの拡大阻止を図る
- インテルにとって、2015年のアルテラに次ぐ大型買収
半導体メーカー最大手の米インテルはイスラエルのモービルアイを約150億ドル(約1兆7205億円)で買収する。インテルにとっては2015年のアルテラ(167億ドル)に次ぐ過去2番目の大型買収となり、クアルコムなどと競合する自動運転市場の技術で優位に立とうとしている。
13日の両社発表によれば、インテルはモービルアイ株主に1株当たり63.54ドルを現金で支払う。これは10日のモービルアイ終値に34%上乗せした水準。モービルアイ株はニューヨーク時間13日午前10時48分現在、前週末比30%高の61.31ドルで推移している。
インテルは自動運転関連が2030年までに最大で700億ドルの市場に成長すると予想している。
ガートナーのアナリスト、マイク・ラムジー氏は「インテルはゼロから構築しようとするのではなく、高いプレミアムを支払って他社に追い付き、首位に立とうとしている」と指摘した。
インテルはパソコンおよびデータセンター市場では支配的な地位を占めているものの、英アーム・ホールディングス設計の半導体が優位に立つ分野では苦戦している。ブライアン・クルザニッチ最高経営責任者(CEO)の下、インテルはドローンやキャッシュレジスターなどの市場にも参入したが、新規売り上げは限られている。
クルザニッチCEOはアナリストとの電話会議で、今回の買収がインテルの調整後利益とキャッシュフローに直ちに恩恵をもたらすと発言した。ただ、売上高への影響はあまり大きくないようだ。昨年のインテルの売上高が590億ドルだったのに対し、モービルアイは3億5800万ドルにとどまっている。
インテルの株価は10時48分現在、2.1%安の35.14ドル。
携帯電話用の半導体で最大手の米クアルコムはオランダのNXPセミコンダクターズを470億ドルで買収し、自動運転市場関連の半導体で首位に立とうとしている。
ノーザン・トラスト・セキュリティーズのテクノロジー調査責任者、ニール・キャンプリング氏は「インテルはこれまでこの分野では後れを取っており、買収が追い付く唯一の方法だった」と分析した。
発表によると、インテルはモービルアイの株主価値を約153億ドル、企業価値を147億ドルと評価している。
画像処理・検知技術を手掛けるモービルアイはここ数カ月でより高度な製品提供で複数の自動車メーカーと提携。インテルとモービルアイは既に、高級車市場に完全な自動運転車を2021年までに投入する計画でドイツのBMWと提携している。
原題:Intel to Buy Mobileye for About $15 Billion in Car Push (2)
Intel to Buy Mobileye for About $15 Billion in Car Tech Push (1)(抜粋)