「ママがそばにいなくて寂しくないですか?」
「ママがそばにいなくて寂しくないですか?お友達とは仲良く一緒に遊んでますか?ちゃんとご飯を食べていますか?」
6才で命を落とした娘に向け、母親が書いた手紙である。
今朝の朝日新聞に出ていた。
私には、中一の息子がいる。震災当時6才。この子と同級生だった。
私の息子は、元気に生活している。
昨日、妻と私と息子の3人で買い物に行った。
店のホワイトデー売り場でチョコのお返しを選んでいると、息子が私に言った。
「お母さんに買ってあげたい。喜ばせたいから内緒で買ってあげたい」
妻を、この場所から去らせたいようだ。
妻が、「無印良品で文房具を見たい」と言っていたのを思い出した私は、
「二人でここでお返し買っておくから、無印に行っておいでよ。隣の本屋で合流しよう」
と切り出した。すると、妻が、
「時間ないから、無印は今度でいいよ」
と言う。困った息子が、
「俺も本屋で買いたい本があるから、後で本屋で合流にしようよ」
とさらに一押し。すると妻は、息子の「買いたい本」になぜか食いつき、
「本?何?どんな本?あんた本なんて読んだっけ。私も一緒に行く。はやくお返し選ぼうよ」
と。息子と二人で目で合図し、作戦は一時中断することに。
お返しを買い無印に向かう途中で、私が息子に、
「お父さんが今トイレに行くふりをして、さっきの売り場でお母さんの分買ってこれるけど、どうする?」
と言うと、息子が
「俺のお金で買いたいんだ」
と言う。お金を持っているのか?と聞くと、ある、と言う。
「じゃあ、お前が行ってこい」と言うことになり、息子がダッシュで先ほどの売り場へ戻る。合流地点は無印の隣の本屋。
数分後、先ほど買った友達へのお返しを手にぶらさげ、書店に戻ってきた。妻へのプレゼントはリュックの中に入れてきたとのこと。
震災で子どもを失った先のお母さんの言葉を聞くと、涙が出てくる。
ご冥福をお祈りする。あなたの分も、息子を大切にしたい。