「お宝企業」の発掘を!
トランプ大統領の誕生が決定した昨年11月以降、株式市場は堅調に推移している。2016年は企業業績の鈍化懸念から日本の株式市場は低調に推移していたが、大統領誕生後の施策による強い米国の復活や、膨大なインフラ投資への期待感から再び株式市場に資金が巻き戻っている。
そんな中、変化の激しい経済環境をものともせず、安定的に最高益を更新し続けている企業もある。業績の好調さを維持し続けることは並大抵のことではない。ここでは、そんな企業群の強さの秘密を探ってみよう。
なお利益が連続最高益を出していることは前提であるので、業績面でなく財務数値を眺めることでどのような共通点があるのかを明らかにしていこう。
※以降の財務数値や配当利回りは東洋経済新報社が発表している数値による
今回使用する数値は以下の5つ。
国内首位の家具チェーン。低価格高品質の家具全般を扱い、全国展開。
自己資本比率:76.8%
利益剰余金:3378億円
有利子負債:8億円
ROE:14.7%
配当利回り:0.54%。
埼玉県を中心に展開するスーパー。レシピなど食生活提案型の事業展開が話題。
自己資本比率:49.5%
利益剰余金:713億円
有利子負債:241億円
ROE:14.1%
配当利回り:0.99%
北海道中心としたドラッグストア。整骨サービスや自己採血などの独特な事業を展開している。
自己資本比率:57.5%
利益剰余金:1101億円
有利子負債:62億円
ROE:13.7%
配当利回り:1.03%
岡山発祥の食品ディスカウントスーパー。お客様目線のDプライスを開発し需要の高い低価格を実現。
自己資本比率:55.8%
利益剰余金:246億円
有利子負債:39億円
ROE:13.2%
配当利回り:0.43%
EC業者へと決算サービスを提供している。
自己資本比率:33.2%
利益剰余金:88億円
有利子負債:なし
ROE:17%
配当利回り:0.57%
カラオケ本舗まねきねこや女性用のフィットネスのカーブスを展開。
自己資本比率:40.4%
利益剰余金:148億円
有利子負債:98億円
ROE:14.1%
配当利回り:1.48%
カツ丼専門店かつやを展開。ライバルの吉野家、松屋フーズに業績で大きく差をつけている。
自己資本比率:79.5%
利益剰余金:99億円
有利子負債:なし
ROE:15.2%
配当利回り:0.80%
循環器疾病分野の医療機器(心臓ペースメーカー)など販売する企業。
自己資本比率:39.5%
利益剰余金:55億円
有利子負債:0.7億円
ROE:23.5%
配当利回り:1.74%
靴直営のABCマートを展開している。最近では若い女性向けにニューバランスが一大ブームとなっている。
自己資本比率:85.9%
利益剰余金: 1594億円
有利子負債:16億円
ROE :14.6%
配当利回り:1.81%
自己資本比率は企業によりまちまちだが、多くの企業で50%以上を維持。顕著な傾向だったのは、利益剰余金が多く有利子負債が少ない企業が多いという点だ。またROEが10%以上の企業が多い。
一方で配当利回りは1%を切る企業が多く、配当による還元よりは事業投資へ利益を回す企業が多いことがわかる。
このように連続最高益を持つ企業の財務数値上の共通点を見つけ出すことで今後も継続して伸びていく企業やこれから連続増益記録を伸ばしていくお宝企業が見つかるかもしれない。
谷山歩(たにやま あゆみ)
早稲田大学法学部を卒業後、証券会社にてディーリング業務に従事。Yahoo!ファイナンスにてコラムニストとしても活動。日経BP社の「日本の億万投資家名鑑」などでも掲載されるなど個人投資家としても活動中。個人ブログ「インカムライフ.com」。著書に「超優待投資・草食編」がある。
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