石原元知事 会見内容の一部を訂正・補足 報道機関に文書

石原元知事 会見内容の一部を訂正・補足 報道機関に文書
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東京都の石原元知事が今月3日の記者会見で述べた、豊洲市場への移転の経緯や土地の売買契約などについて、「記憶違いや誤りがあった」として、内容の一部を訂正・補足する文書を報道機関宛てに発表しました。
文書はA4・3ページにわたり、冒頭で「会見で述べた内容を改めて確認したところ、重要ないくつかの事柄について記憶違いなどで誤りがあった」としています。

まず、豊洲の土地の取得に向けた東京ガスとの交渉や契約について会見では「浜渦元副知事のあとを、都の知事本局長を務めた練馬区の前川区長が引き継ぎ売買契約までやっている」と述べましたが、売買契約が結ばれた平成23年当時は前川区長はすでに退職していることなどから訂正するとしています。

また、石原元知事は、東京ガスとの土地の売買契約で、都が、土地の購入後に発生する土壌汚染対策の費用負担を東京ガスに求めないとした「瑕疵(かし)担保責任の放棄」について会見で、「契約書にはんこを押した覚えがない。瑕疵担保責任が放棄されていたことは、都側から質問を受けたことで知った」などと述べましたが、文書で、「説明し漏れた部分を話す」としています。

具体的には、「東京ガスは、売買契約の時点までに、すでに当時の法例にしたがって必要な土壌汚染対策を実施済みだった」ことなどを理由として、法律が求める水準を上回る対策については「本来、東京ガスに要求できる費用でないと思う。買いたい気持ちが強ければ買い主に不利な条件になることなどは当たり前のことだと思う」と記しています。

そして、契約書に石原元知事名義の押印がされていたことについては、「契約書が都知事名義であっても必ずしもみずから決裁するとは限らない」としたうえで、契約書に関する過去の資料を確認した結果、「決定権者は当時の市場長だった。つまり、都知事の公印が押されているものの、都の内部的には決定権限が市場長に委ねられていた」と記しています。

最後に石原元知事は、「本来、私1人に限っての責任問題は存在しない」として会見で述べた見解を改めて文書に記すとともに、「小池知事こそ豊洲市場に移転させない不作為について責任があると思っており、今後このまま無策を続けるのであれば、法的手続きを検討せざるをえない」と記し、現在、弁護士が訴えを起こす準備をしていることを明らかにしています。

小池知事「中身を精査」

東京都の小池知事は記者団に対し、石原元知事が今月3日の記者会見で述べた内容の一部を訂正・補足する文書を発表したことについて、「そういう報告が石原元知事からあったとは聞いている。その中身をこれから精査していきたい」と述べました。

そのうえで、都議会の百条委員会での石原元知事の証人としての質疑について、「『侍』とか、そういうことではなくて、知事としてしてきたことについて話をするのが一番いいと思う」と述べました。