Chapter.1
プラットフォームづくりはここがおもしろい
これまでDeNAではどんな仕事を?
山口:Mobageオープンプラットフォームの立ち上げ前の2009年に入社して、ガラケーのゲーム配信プラットフォームを立ち上げ、PC/スマートフォンへのデバイス展開、多国展開、いろんなパートナー企業とのアライアンス案件などに取り組んできました。以前はコードを書いていましたが、最近は主にアーキテクチャを担当しています。システムのアウトラインをつくって「あとはよろしく!」という仕事です(笑)。
嶋田:僕が入社したのは2010年で、ちょうどPC版Mobage「Yahoo! Mobage」の立ち上げ期でした。入社早々、「きみ、キーボード打つの遅くない?」ってZiGOROuさんに言われたり、ZiGOROuさんが書いた正常系プログラムのテストコードをひたすら書いたり(笑)、ゲーム開発者向けのAPIサーバをつくったりしていました。そのあとスマートフォン版Mobageのリニューアルや、mixiモバゲーの立ち上げも担当しました。3年前くらいからはハッカドールというオタク向けニュースアプリを担当していて、今はプロダクトオーナー兼エンジニアリーダー兼その他もろもろといった感じでなんでもやっています。
小林:Mobageオープンプラットフォームがスマートフォン対応する直前の、2011年に入社しました。同じくプラットフォームのAPI開発などサーバサイドのプログラミングを担当していました。ここ数年はメンバーのモチベーション管理とか人のアサインとか、プロジェクトの進行やアライアンス先との調整など、マネジメント業務がメインになっています。あと、例えば、開発者向けにプラットフォームの「ウリ」として外部のセキュリティソフトを取り込むことを検討したり、それらのビジネススキームの提案をしたりなど、外部折衝的なこともやっています。
プラットフォームは
三者モデルでWin-Win-Winの
状態をつくることができる
@ZiGOROu
ズバリ、プラットフォームをつくるおもしろさは?
山口:プラットフォームだと最低でもユーザーは三者いると思うんですよ。通常のサービスだと、サービス提供者とユーザーという二者のケースが多いと思うんですけど、プラットフォームは常にユーザーと開発会社とわれわれプラットフォーマーの三者モデルでWin-Win-Winの状態をつくることができる。
小林:例えば最近リリースした「AndApp」という、iOS/Android向けゲームをPCで体験できるサービスがあります。Androidの場合、端末によるスペック差異がけっこうあり、低スペックの端末だと最新のスマホゲームを快適に遊べないという現実がありますが、それがPCでも動けば「サクサク遊べる」という価値をユーザーに対して提供できます。また、ゲーム開発者に対しては、なるべくiOS/Androidのプラットフォームと似通ったつくりにすることで、AndApp用の分岐をあまり入れず最小限の手間で、マーケットを広げていけるという価値を提供しています。
嶋田:あと、二者だとアイデアを自分たちだけで出さなければいけないことが多いですが、三者になりプラットフォームとなると考える頭が一気に増えるじゃないですか。市場の動きもより早く入ってきて察知しやすくなるし、サービスが改善されていくスピードも全然変わってくると思う。ここもプラットフォームづくりのおもしろいところですね。ハッカドールも、もともとは世の中にあるオタクニュースを集めてユーザーに届けるというところからはじまったんですけど、メディアの方々からハッカドールを積極的に使ってニュースを配信したいという話もいただけるようになってきており、徐々にプラットフォームになっていく方向にあります。