稲田朋美防衛相は20日の衆院予算委員会で、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報について、防衛省文書課が昨年12月に不開示を決めた際、統合幕僚監部が「意見なし」と回答していたことを明らかにした。統幕には電子データが保管されていたが、稲田氏は「統幕はその段階では探索しなかった」と述べ、情報の隠蔽(いんぺい)を改めて否定した。
稲田氏は、文書課の照会に対して統幕が回答を決裁したときには「文書の存在を知っていた人はいなかった」と説明。文書の探索が不十分だったことは認めた。
防衛省はこの問題に関する調査委員会の設置を見送った。しかし、設置に消極的だった浜田靖一衆院予算委員長(自民党)は20日の予算委理事会で一転して容認する考えを表明。これを受けて民進党は重ねて設置を求めたが、稲田氏は「文書の発見から1カ月間、私に報告がなかったことは非常に問題だ。自ら事実関係を確認し、再発防止に取り組んでいる」とかわした。【光田宗義】