米国の高速鉄道や発電事業といったインフラ開発に日本の年金の積立金を投資する案が政府内で浮上しているという報道が出ました。米国との経済協力のために年金のお金を使って大丈夫なのという不安もあります。
Q どういう案なのですか。
A 日本の現役世代が払っている国民年金と厚生年金の保険料の一部は年金積立金として積み立てられています。その管理・運用は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)という組織が行っています。今回は米国を中心に70万人の雇用を生み出し、4500億ドル(約50兆円)の市場をつくるという日米経済協力の中で積立金を使う案もあると報道されました。インフラ関連は10年間で1500億ドル、雇用は65万人の計画とされています。
Q もともとインフラへの投資もあるものなのですか。
A 3年前から海外の年金基金と共同で投資しています。積立金の資産総額は昨年9月末時点で132兆円です。GPIFの運用方針上は、海外(欧米先進国)のインフラ投資は5%まで可能ですが、インフラは株式などよりリスクの評価が難しいこともあり、0.06%と実績はほとんどない状態です。
Q ところで報道は本当の話なのですか。
A 政府内で案として浮上しましたが、元々GPIFは政府から独立して受給者、加入者の利益を最優先することが法律で義務づけられています。日米協力が前面に出ると「年金積立金の政治利用」になってしまいます。国会で質問を受けた安倍晋三首相は「(政府は)指示できない」「デマだ」と気色ばんで否定しました。「経済産業省が勝手に話を進めている」と話す政権幹部もいます。
Q 真相はどうなのでしょうか。
A GPIFは「理屈の上では、結果として米国のインフラに向かうこともあり得る」としています。日米の経済協力については、安倍首相とトランプ大統領の会談で、今後、麻生太郎副総理兼財務相とペンス副大統領が話し合っていくことになりました。どういう内容が出てくるか注目しておかないといけませんね。