出典:PIXTA
【VR】3D映像は子どもに見せても大丈夫? 目に与える影響を眼科医が解説
VRや3D映画など、近年では映像が飛び出したり、まるで別世界にいるような感覚になるバーチャル機器が増えていますね。
しかし、このような映像による目の影響、特に小さいお子さんなどが利用しても問題はないのでしょうか。
今回は3D映像が与える目への影響、子どもへの影響、3D映像で目への影響を減らす方法などを眼科医の岡先生に解説していただきました。
しかし、このような映像による目の影響、特に小さいお子さんなどが利用しても問題はないのでしょうか。
今回は3D映像が与える目への影響、子どもへの影響、3D映像で目への影響を減らす方法などを眼科医の岡先生に解説していただきました。
3D映像が与える目への影響
ステレオ3D映像は人間の目で実際に見た映像と異なり、奥行きが変化したり歪んだりする結果、不自然さや見づらさがおこり眼精疲労の原因になります。
代表的な3D映像の不自然さとしては被写体の厚みが感じられない、実際より小さく感じるなどがあります。
他にも、瞳孔間距離(瞳と瞳の間の距離)の短い若年者は大人よりも影響を受けやすくなります。
また、以下の症状を持っている方は3D視聴で眼精疲労を生じやすくなります。
・視力の左右差がある
・斜視などの眼位のズレがある
・目の位置をまっすぐに保ち、両目で立体的に物が見えるかなどの両眼視機能の問題がある
・目を内に寄せれない輻輳不全(ふくそうふぜん)がある
3D映像による子どもへの影響
3D映像は、子どもにも問題はないとされていますが、6歳ごろまでの子どもは見ようとする物にピントを合わせたり、視線を少し寄り目にして近くの物を見る機能の発達途上にあります。
この年齢で3D映像を見ると、もともと素因のある子どもでは斜視が誘発する可能性が指摘されていますので、心配な場合はそのような素因がないか眼科で診察をおすすめします。
3D映像によって懸念される目の症状
複視
一時的に物がダブって見える症状が続くことがあります。普段でも時々物が2つに見えた経験がある方は要注意です。
近視化
一過性に軽度の近視化がみられることがありますが元に戻ります。
輻輳過多
一過性に目を内に寄せすぎる症状がみられることがあります。
急性内斜視
4歳の子どもで3D視聴後、急性内斜視を発症し3カ月しても良くならなかったために手術になったケースもあります。
眼精疲労
3D試聴によって、以下の症状が出ることがあります。
・目の疲れ
・痛み
・重い感じ
・目のかすみ
・目の乾き
・チカチカするなど
3D映像で目への影響を減らす方法
1:適切な視聴距離(50インチで2m)、ディスプレイの縦径の3倍の距離をとりましょう
2:自覚的に疲労を感じたら休憩し、長時間視聴せず適度に休憩をとりましょう
3:自分の視力を眼鏡やコンタクトレンズで正しく矯正し見え方の左右差をない状態にして視聴ましょう
4:6歳未満の子どもは視聴を控えましょう
最後に岡先生から一言
日常生活で目が疲れやすかったり、時々複視を感じたり、左右の目の見え方のバランスの悪い方は、3D映像を見ると目の不調が出やすことがありますので眼科を受診しましょう。
脳と視機能が発達途中の子どもが3Dを見ることによる長期的な影響は不明なこと、子どもは自覚的な疲労を訴えにくいことがあるため、視聴の可否、視聴環境、視聴時間など周りの大人が注意してあげましょう。
(監修:眼科医 岡先生)
- この記事は、医療・健康に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
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