金銭や労働力の搾取を目的に売春や労働を強制する人身取引は、国内でも発生している。
警察庁は2月16日、2016年に全国で検挙した人身取引事件をまとめ、公表した。BuzzFeed Newsは、警察庁から資料を受け取り、被害状況をグラフにした。
2. 日本人は、前年より12人増えて25人だった。統計がある2001年以降で最多となった。
2016年、被害者は計46人。全体の87%を占めた日本人以外には、タイ8人、カンボジア7人、フィリピン5人、ベトナム1人。
近年は、日本人、タイ人、フィリピン人に集中している。
3. 圧倒的に女性が被害に遭っている。16年の女性の割合は95.7%だった。
2年連続で男性の被害も確認した。15年は3人、16年は2人だった。
4. 19歳以下と20〜29歳の被害者が増えており、両方で全体の80%以上を占める。
16年の最年少は15歳で、日本人とベトナム人。15年には、40歳以上の2人が被害者になった。
5. 16年の被害の大半が、売春などの性的搾取で80.4%。
性的搾取が37人だった一方で、ホステスとして働かされたのは6人(13.0%)に上る。ホステスは、15年には53.1%を占めて最多だった。
6. このような検挙事例がある。
【大阪】容疑者は、SNSなどで知り合った家出中の日本人女児ら6人に売春に関する契約書を書かせ、マンションに住まわせた。そして、理由もなく罰金を名目に、出会い系サイトなどで募った客と売春させた。
【東京】タイ人女性4人が、現地のブローカーの「日本に無料で観光に行ける」という言葉を信じて来日。だが、容疑者が渡航費などの名目で借金を返済するように求め、デリバリーヘルスなどで売春を強制した。
【愛知】容疑者は、フィリピン人女性3人に偽装結婚させて来日させた。その後、パスポートを取り上げ、自分が経営する店でホステスとして働かせた。
いずれも、金銭目的だった。
7. ベビーシッターや農作業の被害も。
その他の被害者とは。15年の被害者5人はそれぞれ、ベビーシッターと農作業のほかに、土木作業、飲食店従業員を強制された。
16年には、3人が労務作業と建設作業をさせられた。そのうち、2人は16歳と17歳の少年で、それぞれ建設現場や工場で無理矢理働かされ、暴力団などに報酬を搾取されたという。
全国の都道府県警は、今後も取り締まりの徹底を図る。
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