逮捕の女の勾留質問 クアラルンプール市内の裁判所で
【クアラルンプール西脇真一、平野光芳】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)が13日にクアラルンプール国際空港で殺害された事件で、マレーシア警察に事件に関与した疑いで逮捕された女の勾留質問が16日、市内の裁判所で行われる。一方、16日付の韓国紙、朝鮮日報によると、遺体の写真を見た韓国政府の当局者は「口元に泡がついており、典型的な毒殺時の現象だ」と述べた。
警察は空港内の監視カメラの映像などから女を追跡し、15日に逮捕した時は1人だったとしている。警察は男4人の行方を追っている。地元メディアによると、女はミャンマー出身だとの情報があるが、確認されていない。マレーシアもミャンマーも北朝鮮の友好国だ。
マレーシアの華字紙「東方日報」(電子版)によると、女は空港から別の女と一緒にタクシーで逃走。4人の男と合流して空港近くのホテルにチェックインした。その後、自分以外の5人は外出したままホテルに戻って来なかったため、仕方なく15日に空港へ戻ったところ、逮捕されたという。
このホテルのフロントの男性は、毎日新聞の取材に「報道で6人がここに宿泊したと知ったが、自分には分からない」と語った。警察が発表した女の名前は宿泊記録にはないと話しており、6人は偽名を使っていた可能性もある。