優秀な人を採用できない「本当の理由」
会社の知名度、出せる給与水準、欲しい人に出会えない・いない…などを理由にしてませんか?
「優秀な人が採用できずに困っています」
どの会社の、どんなポジションの、どのような方に相談を受けても、必ず出るのがこの話。
各社それぞれの採用基準があり、同じ背景である会社は2つと存在しません。しかし悩みは共通であることが多いです。
「問題を一つ一つ因数分解してみませんか?」と伝えた上で、その原因を一緒に考えてみます。
よく聞く悩み
細かな部分は違えど大きく以下3つにわけられるのではないか?と言うくらい同じ話をお聞きします。
1.会社の知名度がなくていい人が来ません
2.出せる給与水準に見合う方が来ません
3.欲しい人(マッチングする人)が来ません
あとこちらもですね
4.いい人事担当がいない
1.会社の知名度がなくていい人が来ません
すべての企業、特にベンチャー・スタートアップにとって「会社の未来を担う社員」を採用できるかがいかに重要なことか、それはいまさらするまでもない話。 これからまさに成長を目指そうという企業にとって、優秀な人材は必要不可欠です。「採用広報のた…blog.pr-table.com
こちらの記事の後半部でお話していますが、「とにかく行動する」ということとあわせて「小さな信頼を積み重ねる」ということが必要だと考えています。
−PRパーソンもいないような創業間もないスタートアップにいたら、どんなことから採用広報をはじめますか?
まずは個人として信頼してもらう努力を続けますね。もちろん今でもそうなのですが、創業間もないような規模が大きくない会社では特に、小さな積み重ねが大切になると考えています。個人に興味を持ってもらうことで、会社にも興味を持ってもらうような、ポジティブなサイクルを作っていきたいと思います。
2.出せる給与水準に見合う方が来ません
こちらも本当によく聞く話。スタートアップの経営者や人事担当からの相談で「優秀な人に来てもらっても当社の水準に合わないんですよね」と言う話をよく耳にします。
「給与以外の”やりがい”を熱意を持って伝えるしか無い!」
みたいな根性論になりがちですが、そうではなく
“給与水準をあげてみる”というシミュレーションをしたり、今まで考えて見なかった水準をなぜ出せないのか、という原点に立ち返ってもいいのではないでしょうか。
他にも、私がよくお伝えすることとして「入社時の給与の高い低いよりも、評価制度が正しく機能している方が大切ではないか」というようなことで理解が進むケースが多くあります。
”入社後のパフォーマンス次第でしっかり給与は上がります。もちろん下がることもあります”
など、誠実かつ真摯にお伝えしていくことで、根性論・感情論に依存しない対応ができるようになります。
3.欲しい人(マッチングする人)が来ません
正しい発信をしているでしょうか。1.にも関連しますが、発信はその量だけでなく「質」も意識すべきです。
今年の7月にサービスの開始から2周年を迎えた、フリマアプリ『 メルカリ 』。現在では国内にとどまらず、米国にも展開し、そのダウンロード数は日米通算で2000万DLを超えています。 そんな急拡大中のメルカリを支える優秀な人材の採用方法につ…hr.wantedly.com
こちらのインタビューでもお話していますが、「最初からマッチしない人の応募はいらない」くらいの気持ちで、候補者の母集団については数ではなく質を追っていくことが大切でしょう。
4.いい人事担当がいない
これはもう頑張るしか無いですね(笑)
優秀な人を採用できない「本当の理由」
最初に3つの「よく聞く悩み」をあえてあげましたが、伝えたいのはここではありません。
この1.-3.を実直に進めていってるのに「優秀な人にやっぱり出会えない」、そんな方も多いのではないでしょうか。
無意識バイアス
今回私がお伝えしたいのは、「無意識バイアス」の存在です。
これは本当に恐ろしいことで、中途採用をやっていると社外だけではなく社内のメンバーからさえ感じることがあります。
「このくらいの人が取れればいいや」
「そもそもこんな人は採用できないし」
という無意識のバイアスです。
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How Google Worksを引用するまでもありませんが、
- 自分より優秀で博識な人材を採用せよ。学ぶもののない、あるいは手強いと感じない人物は採用してはならない。
- 最高の候補者を見つけた場合のみ採用せよ。一切の妥協は許されない。
当たり前のことが当たり前のように書かれています。
皆さん本当に実践できているでしょうか。
チームの上位職(特にMgrであったり、VPや経営者など)で本来採用に圧倒的にコミットせねばならないにも関わらず、
- インターンを採用しよう
- 若手がいいよね
こんなことばかり言っていませんでしょうか?
もちろんポテンシャルがある若手の採用は否定しません。
しかし、
- 例えば年収数千万、それ以上の価値あるEngineerやProduct manager
や
- 超著名企業の(絶対に退職しなそうな)XXさん
- 次は必ず起業するであろうXXさん
のような方に声かけてますか?
私がメルカリの経営陣を(採用の面でも)心から尊敬してやまないのは、この後半部の採用を全くサボらないからです。
いつも常に、可能性が限りなく低くても、声をかけ続け、いつか何処かのタイミングでの採用を意識し続けています。
とにかく目線を下げない
「採用に関する危機意識」の中で、最も怖いものの一つに「自然と目線が下がること」が挙げられます。
規模の拡大、手数の不足、時間の経過、人気の減少…
サボる理由はいくらでも出てきます。
しかしそれを我慢し続けて、真摯かつ愚直にやり続けることが、自社のみならず自身の成長につながります。
日々の採用活動、決して楽ではないです。そしてやったらやっただけ結果が出るものではありません。しかしやらないと前には進みません。
本エントリが何か小さな気付きになりますようであれば幸いです。