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2017年は酉年 “鳥”にちなんだ列車や駅を乗り継ぐ旅

  • 鉄道コム編集部
  • 2017年1月31日

 干支の「酉」にちなみ、鳥にちなんだ鉄道旅行プランを紹介する。列車名、駅名、鉄道会社名など、鉄道と鳥とは縁が深く、列車の名称では、多くの鳥の名前が古くから使われてきた。今回は新幹線を中心に、鳥にちなんだ6種類の列車を乗り継ぐほか、鳥の名前が付く駅、路線もいくつか探訪する。車窓から野鳥が見られれば、正に鳥づくし。また、鉄道関連の施設も3カ所訪ねる。

上越新幹線「Maxとき」

1日目

「とき」に乗って、燕方面へ

 旅のスタートは東京駅。JR東日本の新幹線ホームからは、鳥にちなんだ列車が続けて発車する機会が多く、まずはそれらを見送ってから出発する。20番線で金沢駅行きの「はくたか553号」(7時52分発)、23番線で盛岡駅行きの「はやぶさ101号」(7時56分発)、再び20番線で山形駅行きの「つばさ127号」(8時8分発)の順に送った後、その20番線から発車する「Maxとき307号」に乗る。車両のE4系には、トキ(朱鷺)をイメージしたピンク色の帯が使われているほか、車体の一部側面にはトキの飛ぶ姿をデザインしたエンブレムが施されている。鳥をテーマにした旅となれば必見だ。

 Maxとき307号は、東京を8時24分に出て、雪国をめざす。群馬と新潟の県境を越えれば、この時期は銀世界。長岡付近からの平野部では、雪を眺めながら、野鳥の姿を追うのもいいだろう。10時18分、鳥の名が付く新幹線駅「燕三条」に到着。駅名に「鳥」が付くのは、九州新幹線の「新鳥栖」駅があるが、鳥の種類の名称では、この燕三条駅が新幹線では唯一。新幹線車両と駅名標とあわせて、写真を撮っておきたい。

 同駅は、新潟県燕市と三条市の境界に位置していることから、両市の名称をとる形で駅名とした。燕が先だが、駅の所在地は、駅長室の場所を基準とするため、三条市になる。燕三条駅以外のほかに、燕が付く駅は、弥彦線の燕駅、西燕駅があり、両駅ともに燕市内にある。鳥をテーマとするうえで外せない駅だが、今回は行程の都合上、その燕駅方面とは逆、東に向けて弥彦線に乗る。発車時刻は10時36分。二駅先の東三条駅に向かい、在来線特急に乗り換える(10時44分着、10時56分発)。

信越線を南下、日本海沿いへ

 東三条駅からの特急は、「しらゆき4号」。信越線を南下しつつ、日本海沿いに抜け、直江津駅へ向かう。途中、長岡―柏崎間では、鳥の付く駅の一つ、「長鳥」を通過する。11時半を過ぎたら、進行方向右側に目を向けておくといいだろう。柏崎駅の次の停車駅、柿崎駅に着くまでの十数分間は、日本海に近い区間を走る。海鳥や渡り鳥の姿が見られるかも知れない。

 直江津駅には、12時10分に到着。新潟県内のJR東日本の路線はこの駅までで、ここから西は、第三セクターに乗り換えることになる。乗車するのは、「えちごトキめき鉄道」。新潟県を走る鉄道ということから、社名に県鳥の「トキ」が使われている。マスコットもトキをデザインしたもので、名前は「トキテツくん」という。

えちごトキめき鉄道=2015年3月撮影

北陸路をトキ鉄、「はくたか」、「しらさぎ」で

 えちごトキめき鉄道の普通列車は、直江津駅12時20分発。かつての北陸線をひた走り、40分ほどで糸魚川駅に着く。ここからは東京駅でも見送った北陸新幹線「はくたか」に乗車。次の「はくたか561号」は、13時26分発なので、発車時刻まで糸魚川駅にある「糸魚川ジオステーション ジオパル」で過ごすのもいいだろう。同所には、かつて大糸線で活躍したキハ52形車両が置かれ、待合室として開放されている。鉄道模型のジオラマも設置されている。

糸魚川駅=2015年3月撮影

 はくたか561号には、終点の金沢駅まで50分乗車する。列車名としての「はくたか」は、1965年に上野―金沢間の特急列車で使われたのが始まり。立山連峰の白鷹伝説にちなんだ名称で、在来線特急で長く使われてきたが、2015年の北陸新幹線金沢開業に伴い、在来線から新幹線へその名が引き継がれた。

 金沢駅では、30分ほどの待ち合わせ(14時16分着、14時48分発)。次に乗るのは特急「しらさぎ12号」だ。列車名の「しらさぎ」は、石川県山中温泉の開湯伝説に登場する白鷺にちなんだもの。特急「しらさぎ」は1964年にデビューし、北陸新幹線金沢開業までは、名古屋―富山間で運行していた。現在は、名古屋―金沢間を結ぶ。今回は、金沢駅から敦賀駅まで乗車。途中の福井駅までは、沿線に複数の潟湖があるため、それらをねぐらとする鳥の姿を車窓から見ることができるだろう。

特急「しらさぎ」

 福井駅には、15時35分に着く。鳥にまつわる駅を極める場合は、ここからえちぜん鉄道の「鷲塚針原」駅や、福井鉄道の「鳥羽中」駅を訪ねるのも一興。今回は、敦賀に直行し、同地の観光地へ向かう。敦賀駅には16時9分着。移動にはレンタサイクルが便利だ。氣比神宮、気比の松原、赤レンガ倉庫など、名所は多々あるが、鉄道に徹するなら、敦賀鉄道資料館がおすすめ。敦賀の鉄道の歴史を紹介する各種展示のほか、鉄道模型などを見学できる(入館無料、17時閉館)。休止中の貨物線、敦賀港線を自転車でたどってみるのもいい。

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