これから起業しようと思っている方に向けて、「WordPressを用いたWebサイトの作り方」について詳しくご紹介します。
今回は、初心者の方でも簡単に操作していただけるように、実際のWordPressの管理画面などを用いた操作説明だけでなく、一番最初のサーバー(レンタルサーバー)を借りて設定をするところから説明しています。
WordPressは、企業のコーポレートサイトやブログサイトなどを作る場合、レンタルホームページやレンタルブログと違って、無料版でもGoogle AdSense等の広告が表示されず、Googleが認める程SEOにも強く、更新作業も簡単です。
非常に使い勝手のいいサービスですので、ぜひご覧いただき、ご活用ください。
WordPressとは
WordPressとは、ブログやWebサイトを制作するための
無料のツールのことです。WordPressはCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)の一つであり、簡単な操作で本格的なWebサイトを制作することが可能です。
また、WordPressはオープンソースであるため、世界中の技術者たちが開発に加わり、日々バージョンアップが行われています。
WordPressは、個人のブログから企業のサイトまで、様々なWebサイトで利用されています。
世界中のWebサイトのうち4分の1はWordPressで作成されていると言われ、ブログシステムの中では世界一のユーザー数を誇ると言われています。
WordPressを使用すれば、難しい技術を使わずにWordを使っているイメージでブログやWebサイトを作成することができるでしょう。
WordPressのインストール
WordPressを利用するためには、いくつか準備をしておく必要があります。まず、Webサイトを作成して公開するためには、「
サーバー」と「
ドメイン」が必要になります。
Webサイトを作成するには、サーバーにデータを保存しておく必要があります。「
ロリポップ!」「
さくらインターネット」「
ミニバード」「
エックスサーバー」など、様々な会社がサーバーをレンタルしているので、これらを利用します。無料でレンタルできるものと有料になるものが存在し、有料のものは、容量や機能によってレンタル料が異なります。
数あるレンタルサーバーの中でも
「WordPress簡単インストール」が用意されているサーバーと契約すると、とても簡単にWordPressのインストールが行えます。レンタルサーバーの管理画面から、指示に従ってクリックしていくだけでOKです。
レンタルサーバーと契約したら、次はドメインを取得します。ドメインとは「yahoo.co.jp」などのインターネット上の住所のようなものです。その住所にサーバーを設置することでサイト開設をすることができます。
レンタルサーバーと同じように、ドメインも様々な会社が販売しています。年単位で販売していることが多く、
年額1000円程度から販売されています。
ここからは「ミニバード」を例にして、WordPressを導入する流れを解説していきます。まず、ミニバードにアクセスし、左下にある「
ドメイン設定」をクリックします。すると次のような画面が現れます。
スタードメインのドメインを取得している場合は、「
スタードメイン管理のドメインを追加する」をクリック。他の会社のドメインを取得している場合は、「
他社管理のドメインを追加する」をクリックします。
スタードメインのドメインを取得していると、登録が簡単になります。ドメイン名を入力して確認することで設定が完了します。
続いて、WordPressのインストールを行います。管理画面の中央にある「
簡単インストール」を選択します。
「
追加インストール」をクリックすると、次のような画面が現れます。
次にWordPressの横にある「
インストール設定」をクリックします。
インストール先や、ブログ名、ユーザー名などを入力するページが現れますので、それぞれ入力します。データベースに関しては、「
自動でデータベースを作成する」にチェックを入れてください。チェックを入れることで、WordPressに利用するデータベースの設定が自動で行われます。
必要事項を入力したら、「
確認画面」をクリックします。次のページで情報を確認し、「
確定」をクリックします。これでWordPressのインストールは完了です。
次のページにWordPressのログイン画面にアクセスするURLが記載されていますので、ログインIDとパスワードを入力すると、WordPressが使えるようになります。
管理画面の基本設定および投稿方法
WordPressの管理画面にログインすると、画面左に様々なメニューが表示されています。中央辺りにある「
外観」→「
カスタマイズ」をクリックすると、レイアウト、ヘッダー、背景画像など、サイトのデザインの編集を行うことができます。
「
テーマ」で、Webサイトの基本的なデザインを決定しましょう。
投稿
この「投稿」で作成するのは、ブログやお知らせなどで、頻繁に情報の更新があるページです。
会社やお店の情報など、頻繁に更新する必要がなく、Webサイトの決まった場所に常に表示させるページを作る場合は、後述の「
固定ページ」を使います。
記事の投稿を行うには、「
投稿」→「
新規追加」をクリックします。
すると、ブログを執筆するページが現れます。タイトル欄にタイトルを入力し、その下にある大きな空欄の枠に記事を執筆していきます。
文字のフォントやサイズを調整したり、画像を追加したりすることもできます。
記事の作成が完了すると、画面右にある「
公開」をクリックします。すると、記事が作成されます。
まだ記事作成が途中で公開したくない場合は、「下書きとして保存」をクリックしましょう。
ちなみに間違って公開ボタンを押してしまっても「下書き」の状態に戻せるので、安心してください。
また、公開する日時を任意に設定することもできます。
「すぐに公開する」項目を編集すると、日時を設定する項目が表示されます。
ここで、公開したい日時を入れ、「OK」ボタンを押すと、下の「公開」ボタンが「予約投稿」ボタンに変わります。
この「予約投稿」ボタンをクリックすることで、予約の設定が完了します。
「明日の早朝、定時前に公開したい」といった時に使用できるので、とても便利ですね。
固定ページ
WordPressには、「投稿」の他に、「
固定ページ」が用意されています。
固定ページとは、会社やお店の情報など、頻繁に更新する必要がなく、Webサイトの決まった場所に常に表示させるページのことです。
「
固定ページ」→「
新規追加」をクリックすることで、固定ページの作成ができます。
基本的な使い方は投稿ページと同じで、ページの様々な執筆・編集が行えるようになっています。
記事の作成が完了すると、画面右にある「
公開」をクリックします。すると、固定ページが作成されます。
このように、会社概要や店舗概要、自分のプロフィールなど、記事とは別途必要になるページの作成も簡単に行えます。
ユーザーの追加
WordPressでは、作成した時に登録された管理者とは別のユーザーを追加することができます。「
ユーザー」→「
ユーザー一覧」では、現在登録されているユーザーを確認することができます。ユーザー名、メールアドレス、プロフィールなどが表示されます。
新たにユーザーを追加する場合は、「
ユーザー」→「
新規追加」をクリックします。
ユーザー名、メールアドレスなど必須の情報を入力して、新規ユーザーを登録することができます。
テーマの設定方法
WordPressには、サイトのデザインとレイアウトを決めるテーマと呼ばれるテンプレートが用意されています。写真をうまく活用したレイアウト、シンプルさを基調としたデザイン、SEO対策に優れているなど、テーマにはそれぞれ特徴があります。
また、テーマには無料のものと有料のものが用意されています。
テーマを設定するには、「
外観」→「
テーマ」をクリックします。「
新規追加」をクリックすると、注目、人気、最新、特徴フィルターからテーマを検索することができます。
使いたいテーマが決まったら、インストールをクリックして、インストールします。
インストール後、「有効化」をクリックすることで、そのテーマが採用されます。
また、「
外観」→「
テーマの変更」をクリックすることで、
スタイルシートを変更することもできます。
無料で使えるおすすめのテーマ
Twenty Fifteen
WordPressのデフォルトとなっているテーマです。
セキュリティに優れ、機能も豊富です。
デザインはシンプルで使いやすいものになっています。
スマートフォン・タブレット・ノートまたはデスクトップパソコンのどれを使ってサイトに訪れても、最適な表示がされるようになっています。
Hueman
Hueman はブログ、マガジン、ビジネスのWebサイトのためのテーマです。モバイルフレンドリーな設計になっており、
一度に多くの記事を表示させることができます。
無料テーマの中でもTOPクラスの人気を誇り、
世界で7万以上のWebサイトで使用されています。
Simplicity
SimplicityはWordPress公式のテーマではありませんが、
SEO対策に優れ、人気のテーマの一つとなっています。
その特徴は、シンプルなデザイン、
内部SEO施策済み、SNS等の拡散の仕組みが優れている、カスタマイズがしやすいなどです。
プラグインの設定方法
WordPressには、テーマの他に「
プラグイン」というものが用意されています。プラグインとは、WordPressの機能も拡張させるものです。
SEO対策をするプラグインやソーシャルメディアの共有ボタンを表示する、画像を一括圧縮する、お問い合わせフォームを設置する等、便利な機能を備えた様々なプラグインがあります。
プラグインは、管理画面の「
プラグイン」→「
新規追加」をクリックすることで、インストールすることができます。
最初に入れておきたいおすすめのプラグイン
All in One SEO Pack
SEO対策を総合的に行えるプラグインです。検索エンジンの検索結果に表示される内容を最適化でき、とても便利なプラグインです。「メタキーワード」や「OGP」、「XML Sitemaps」などの設定が行え、SEO対策には欠かせません。
All in One SEO Packの使い方
WP Social Bookmarking Light
ソーシャルメディアの共有ボタンを表示できるようにします。TwitterやFacebook、はてなブックマークなど、主要なソーシャルメディアに対応しているので、最初に追加しておきたいプラグインです。
WP Social Bookmarking Lightの使い方
TinyMCE Advanced
記事を投稿する際のビジュアル・エディターを拡張することができます。
文字のサイズを変更したり、太字にしたり、
「続きを読む」タグを挿入したり、表を作成したり等、ボタン1つで様々なことが行えるようになります。
TinyMCE Advancedの使い方
EWWW Image Optimizer
画像ファイルを圧縮してくれます。過去にアップロードした画像に対しても、一括圧縮が可能。画像が軽くなると、表示も速くなり、ユーザビリティが向上します。
EWWW Image Optimizerの使い方
Contact Form 7
簡単にお問い合わせフォームやアンケートフォーム、応募フォームなどを作成することができます。お問い合わせフォームがあると、Webサイトの信頼性が向上します。
Contact Form 7の使い方
以上、WordPressの導入から実際の作成方法について解説しました。
特別なスキルがなくても自分のWebサイトをとても簡単に作れるのがWordPressの大きな特徴です。利用できるテーマの数も年々増えているので、イメージした通りのWebサイトを手軽に作ることができるはずです。
今まで使い方が分からず利用してこなかった人も、これからWebサイトを立ち上げたい人も、ぜひ参考にしてみてください。
(執筆:小嶋大貴、編集:マツイ)

・著者紹介
執筆:TechAcademyマガジン 編集長 小嶋 大貴
・メディア紹介
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