先日、某所のドン・キホーテに行った時のことだ。
「おにーのパンツはいいぱんつ、強いぞ~強いぞ~」
店内BGMで「童謡・鬼のパンツ」が流れていた。
小学生の時に、NHKの教育番組か何かで誰もが一度は聞いたことがあるのではないか。
一応、記憶の助けになることを意図して、歌詞を以下に記載した。
鬼のパンツはいいパンツ つよいぞ つよいぞ
トラの毛皮でできている つよいぞ つよいぞ
5年はいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ
10年はいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ
100年はいてもやぶれない つよいぞ つよいぞ
はこう はこう 鬼のパンツ
はこう はこう 鬼のパンツ
あなたも わたしも おじいちゃんも おばあちゃんも
みんなではこう 鬼のパンツ
そう。
鬼のパンツはとても強い、とむやみやたらに繰り返すことで善良な消費者の深層心理に「鬼のパンツ、マジ最高じゃね?」と植え付け、
最終的にはだから「あなたも わたしも おじいちゃんも おばあちゃんも みんなではこう 鬼のパンツ」と購買意欲をこれでもかと煽り、全人類の下着を鬼のパンツに鞍替えさせようとする、戦後最恐の熱烈プロパガンダである。
ドンキの下着コーナーに入場した際に流れてきたのだが、やはりその洗脳力は凄まじく、無意識のうちに私はそこにあるはずのない鬼のパンツを探し、
店員さんに「鬼のパンツってどこにありますかね。おじいちゃんにも穿かせてやりたいんです。」と尋ねる寸前で我に返った。
そもそも、トラの毛皮で出来ていたらお手入れが大変である。
普通のパンツなら仮に何らかの分泌物をどんなに漏らしていても洗濯機に放り込んでスイッチオンすれば瞬く間に綺麗になるのに、革製品なのでもちろん洗濯できない。
普段からほこりや汚れが定着してしまわないように、定期的にお手入れをしなければならないし、革用のオイルを塗った日にはムレムレの一日を過ごすことになる。
旅行先の部屋でパンツの手入れをしているような奴と、一緒にディナーブュッフェを食べたいだろうか。いや、私は食べたくない。
「え、もう鳥取砂丘いくの??はやくね??鬼パンの手入れさせてよ」なんて言われた日には、彼の鬼パンを破ってしまむらのパンツを穿かせ、クローゼットに閉じ込める。
下着泥棒に盗られた日にはもうお通夜状態だ。日々、あなたが愛情込めてお手入れしてきた鬼のパンツはもう返ってこない。結構いい感じに色褪せて味が出てきたところだったのに…、とあなたは呟き、膝から崩れ落ちる。下着泥棒があなたの鬼のパンツにオイルを塗り、ムレムレさせながら穿いている姿を想像して、毎晩枕を濡らすことになる。
というか冷静に考えておじいちゃん、おばあちゃんと同じ下着を穿くということに全国の孫は抵抗を示してほしい。祖父母と下着のペアルック、という人の道を外れた行為はあなたの人間としての輪廻転生を必ずや断ち切る。次に生まれ変わった時は絶対にダンゴムシになる。絶対に絶対にダンゴムシ。
とまあ、こんな感じで突っ込みどころが多い歌なのだが、
桃太郎が鬼を一網打尽にできたのは、パンツの手入れ中を狙って攻撃を仕掛けたからじゃないかなと思います。