セキュリティフォント観察会
ついつい大喜利をしてからかいたくなってしまうセキュリティフォントですが、そこは大人なので抑えて、淡々としたリンク集を作っておきます。観察対象が多すぎだよ…… (作り始めたら、ものすごい量だと気づいてしまって慄いており、更新していける自信がない)。なお、nilnilさんの労作が大変参考になりました。ありがとうございます。
とりあえず粗筋を読んで笑いたい場合は、以下の記事をどうぞ。
- togetter: 樋渡啓祐CEO、単一換字式暗号のセキュリティー代理店会社設立へ?
- togetter: 樋渡啓祐、セキュリティフォントで万里の長城にセロテープw の巻
- 山本一郎さん: 元武雄市長・樋渡啓祐さん、謎の技術「フォントでネットセキュリティ」で起業
- 黒翼猫さん: 自称完璧なマイナンバー保護技術『セキュリティフォント』 (その1・その2・その3)
今のところ正体が謎ですがドメイン名に注目❤️
- デモ (動画)。数字の2と1と7が複数回出現している部分に注目。単一換字式っぽくも見えるが、「7」の変換を見ると、100%そうだとも言い切れない。
- マイナンバーASP / ログインというページ。
A・Tコミュニケーションズ株式会社 (以下「AT社」)
- AT社は、事業内容の一つとして、「セキュリティフォントの開発・提供」を掲げている。
- セキュリティフォントの紹介ページ (魚拓も一応ある)。ロゴQのサイトでも紹介されている。
- 見つかった範囲での魚拓へのリンク一覧 → [ 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | ]
- なお、現状 (2017年1月28日) では、 http://logoq.net/logoq/contents/how_to_use/images01/IoT_08.jpg 〜 http://logoq.net/logoq/contents/how_to_use/images01/IoT_24.jpg などの画像ファイルのURLを直接指定すると、リダイレクトされてしまい、閲覧不可。
- 特開2015-19126号 (Google Patents | Espacenet) には「セキュリティフォント」という名称が出てくる。しかし、これはアウトラインフォントの形をぐちゃぐちゃにして、人には読みづらくするという発明 (段落0025〜0039など)。おそらく紙での漏洩に対する対策であり、話題のセキュリティフォントとは無関係と思われる。
発明者は以下のとおり。
- 先名健一氏。検索すると、「QRテクノロジー」という会社が出てくる。 でも、パッと見は、「フォントぐちゃぐちゃ化」とは関係なさそう。
- 豊泉博氏。AT社会長。後述。
- 東陽一氏。AT社社長。後述。
- 岸秀明氏。AT社所属らしい。
- 今岡不二男氏。検索すると、「データサイエンティスト講師」として紹介されている記事が見つかるが、本人かどうかは不明。
- 特許5865565号 (Google Patents | Espacenet) は、「セキュリティフォント」という名称こそ出てこないが、むしろセキュリティフォントの仕組みに近いと思われる。文字集合内の各文字を (例えばAESによって暗号化するなどして) 変換し、得られた変換文字列をソートキーにして文字を並べ替え、その並び順に従って各文字に数字 (コードポイント) を割り当て直す。これにより換字用の変換表ができる (段落0022〜0031、図3)。AES以外の暗号も段落0027に例示されているが、暗号化のためではなく順序のシャッフルのために暗号化関数を使っているだけ。暗号と無関係な他の方法でシャッフルしてもよい (段落0027、請求項1)。
もしかすると、「換字表を顧客別にしたい」という目的があって、「暗号鍵を顧客別に変えれば、換字表を顧客別にできる」という発想になったのかもしれない。単に顧客別の換字表を作りたいなら、乱数に適宜のシードを与えるとか、ハードウェア乱数生成器を使うとか、ハッシュ関数にソルトを与えて適当な回数ストレッチするとかで十分だろうにね (ただし、そういう方法も、請求項1の権利範囲に入るという解釈はできる)。
発明者は以下のとおり。
- 豊泉博氏。AT社会長。後述。
- 東陽一氏。AT社社長。後述。
- 高橋哲也氏。検索すると、「フュージョンシス」という会社が出てくる (後述)。
- 高見麻哉氏。検索すると、「玩具業界向けソフト開発の(株)1Gプロジェクト」という会社の倒産情報が出てくる。特許公報に書いてある住所と同じ住所なので本人と思われる。
- 特許5956092号 (Google Patents | Espacenet) 。発明者は、特許5865565号と同じ4名。段落0050〜0063、0109〜0118、図4〜6あたりをざっと見た。換字方式で暗号化されたままのデータを端末で受け取り、端末側では、特別なフォントを使うことで、それを平文に見せかける、という技術のよう。特許5865565号と対になっている感じ。広報資料にあったような、クライアント・サーバ構成においてウェブフォントを使った実装を、想定しているのだと思う。
- 法人インフォ
- AT社のトップページの魚拓を見に行く (archive.org | archive.is)
- 代表取締役は、東陽一 (あずま よういち) 氏。 日本イノベーション融合学会 (IFSJ) (後述) の専務理事。
- 取締役会長は、豊泉博 (とよいずみ ひろし) 氏。同姓同名を名乗るTwitterアカウントがある。
- 特別顧問は、高梨智弘 (たかなし ともひろ) 氏。IFSJ の理事長。
- ユアスタイルフォントも「偽造文書防止や、なりすまし防止に」「情報漏洩防止に」と謳っている。本当にそんな効果があるのかな?
- セキュリティロゴQというものもある。未検討。
- 福岡営業所の住所 (〒812-0013 福岡県福岡市博多区博多駅東1丁目13-17 松岡ビル616号) が、株式会社ボイス (後述) の住所と同じ。
- 朝日プロセス株式会社という関連会社がある。
- 話は全然違うが、CCCとの共願が2件あり、両方とも特許されている ( 特許5530416号 と 特許5563998号)。 パッと検索した感じだと、「TポイントプレゼントQR」というサービスに関連するものみたい。2012年の記事が一番詳しい。利用されていると明らかに分かるのは、2014年の新生銀行が最後かも。 2011年だと、コニカミノルタビジネスソリューションズとスルガ銀行に関連するニュースとして、「顧客プレゼント用に、一枚ごとにQRコード(二次元コード)を変えた金券を出力するバリアブル印刷で、……」という記事も見つかる。
- ロゴQのページの英語は、私の文法知識といろいろ対立している不思議な文で、読み解けない。なんだこれ。
ホワテクことホワイトテクノロジー株式会社
- 樋渡啓祐氏による「ホワイトテクノロジーカンパニー誕生」という記事。だがその実体はまだ不明。
- ホワイトバイオテクノロジーという用語なら存在する。Google先生が「もしかして: ホラテク」という怖いサジェストをしなくなる日は来るのでしょうか。
- 取締役は以下のとおり。
- 樋渡啓祐氏 (上記リンク先を参照)
- 豊泉博氏 (AT社会長)
- 古川宏三郎氏 (元・武雄市市政アドバイザー?)
- 川井潤氏 (元・博報堂DYメディアパートナーズ?)
- 山口承則氏 (旧・JAPANsg、現・自治体特選ストアを運営している、株式会社cotode(コトデ)の代表取締役社長)
- 桑原真琴氏
- 監査役は服巻稔幸氏。
- 本店住所は佐賀県武雄市北方町大字志久96番地5 (cotodeの住所と同じ)
- なお以上の登記情報は、Satoshi Katoさんのツイートを参考にしています。ありがとうございます。
日本イノベーション融合学会 (IFSJ)
- AT社の特別顧問の高梨氏が創設者らしい。なお、高梨氏は現在理事長である。
- AT社の社長の東陽一氏が「次世代コードの知拠点 担当専務理事」を務めている。 「次世代コードの知拠点」の「研究目的」は、「ロゴQを普及させること」だとか。
- 第2回研究発表大会において、セキュリティフォントについての「実演」が行われたらしい (次の「経済産業新報」の項を参照)。
経済産業新報
- 2016年10月1日号に「企業のマイナンバーを完璧に保護するA・Tコミュニケーションズの『セキュリティフォント』」という記事あり。
- 2016年10月15日号に「イノベーション融合学会、第2回研究発表大会開く」という記事あり。 最後の段落に、AT社の東社長による「実演」のことが書いてある。
- AT社の特別顧問の高梨氏が、コラムを寄稿している。
WizBiz
「日本最大級のビジネスマッチングサイト」だそうだ。2016年10月22日付の記事の魚拓がある。本体は消されてしまった模様。導入先やら見積額やら、かなりあけすけ。でも日本語がちょっとね。
株式会社フュージョンシス (以下「FS社」)
- [SOLUTIONS] - [開発実績] というページには、実装言語まで大っぴらに書いてある。
- スマホアプリとして、「security font作成ライブラリ実装 (c, FontForge, 2015年)」と書いてある。
- また、「WEBプログラム」として「security font 機能拡張」・「タイムスタンプ情報の入ったsecurity font デモ用prototype」・「security font作成ライブラリのAIXへの移植」などもある。
- さらに、「非常に高度なソフトウェア」というカテゴリには、「セキュリティ・フォント・エンコーダ・デコーダ・ライブラリ実装 (暗号、iOS, android, 2013年)」と書かれている。
- 「社外向に行った講習」の中には、セキュリティに関する講習に混じって、「データベース設計 (40時間コース、テキストは、アイテック”データベース技術”、対象は国税庁職員、2004年)」も出てくる。
- 代表取締役は高橋哲也氏。
- 略歴は「大学院で数学を修めた後、国内外の民間および国立研究所に在籍。夥しい数の(主には研究に用いるための)ソフトウェアを作る。1998年にFusionSysを創業。工学博士 (東北大情報科学)。」とのことである。
- おそらく、AT社の特許に発明者として名を連ねている高橋哲也氏と同一人物と思われる。ただ、この姓名で検索すると同姓同名が非常に多いので、断定はできない。
- とにかく同姓同名者が多いので断定できないが、東北大で情報科学だと、「多重電極で記録された活動電位波形のウェーヴレット変換に基づく弁別アルゴリズム」という2006年の論文の著者かもしれない。その一方で、国会図書館のNDL-OPACで博士論文を対象に検索してみても、「この高橋哲也氏だ」と確信の持てる結果は出て来ない。
- なお、FS社の創業は1998年である。もし2006年の論文が本人のものなら、学士か修士で一旦就職・創業してから、博士をとったと思われる。が、そういう場合、もう少し、自分の会社の事業内容と論文の分野が近そうな気もする。
- 同姓同名の数学研究者がいらっしゃり、研究分野がまさに暗号分野。別人だろうとは思われるが、「実は同一人」という可能性も捨てきれない。勇気のある人がTwitterアカウントに向けてリプして尋ねてくれるのを待つしかないかもしれない。
- 他に、坂本博史氏および林愛一郎氏という取締役がいる。
- 高橋氏が権利を持っている暗号に関する特許第4850351号は、PNG画像で閲覧可能である。
ダブルフロンティア株式会社 (以下「WF社」)
- マイナンバー導入に向けてのマストソリューションだそうです。しかし英語の見出しが文法的に怪しいな。
- 役員
株式会社トレジャーコンテンツ (以下「TC社」)
- 「セキュリティフォント導入支援」をしている。
- 以前は「助成金活用支援」も掲げていたが (魚拓)、消えてしまった。なんの助成金だったんだろうか。
- 画面下の All Rights Reserved. の行で自社名を間違っていたり、左メニューに綴り間違いがあったりして味わい深い。
- 代表取締役の小林憲人氏の名前で検索すると、ダイヤモンドメディア株式会社 (以下「DM社」) という、「Webソリューション事業」と「不動産ソリューション事業」を行う会社が出てくるが、同一人物なのかは不明。
五洋インテックス株式会社 (以下「GI社」)
- 「インテリアテキスタイル・カーテンのトップメーカー」を名乗る会社。なぜセキュリティフォントを扱うのか不思議である。
- 2016年6月1日に株式会社レックアイ (以下「RI社」) という不動産関係の会社を子会社化している (インテリアと不動産なので、業務提携や子会社化は、まあ分かる)。 なお、この子会社化のお知らせの中に、既にGI社自身が「AI inside」・「ロゴQ」・「セキュリティフォント」等を多角化の一環として取り扱っている旨が書かれている。よく見ると、2015年5月1日から情報商材を扱い出している様子。そして2015年11月25日には、AT社との事業協力を発表している。
- RI社はウェブデザインやプロモーションも手がけているので、「住宅関連と情報商材の双方を扱っている」という点で、GI社・RI社に共通性があるのかもしれないが、ちょっと謎。
- TC社の小林氏が、もしDM社の小林氏と同一人物であれば、「不動産関係の業界人の繋がりで、セキュリティフォントが広がった」という可能性もある。でも単なる想像のレベルである。
戦略経営ネットワーク協同組合
- 「ロゴQ」「セキュリティフォント」「AIテキスト分析」及び「AI-OCR」を北海道地区に広く普及させる目的でAT社と事業提携している。
- 事業提携を記念してセミナーも開催している。
ピアノテクノロジー株式会社 (以下「PT社」)
- ニュースリリースのページに、2016年10月18日の日経新聞の記事、2016年10月4日の日経トレンディの記事、2016年10月1日の経済産業新報の記事、についての記載がある。
- 役員を見ると、代表取締役社長の仲山仁之助氏はごく若く、取締役にAT社の豊泉氏と東氏が就任している。顧問には元LINEの森川亮氏などが就任している。
- 仲山氏は、2016年11月7日に、樋渡氏と面会した旨のツイートをしている。「ヤフーは既存セキュリティに追加して セキュリティフォントを導入すべき」とのツイートもある。
株式会社スウィングクルー (以下「SC社」)
- 「総代理店となりコンサル・販売」するらしい。ただし、サービス一覧の「セキュリティ」の項から、「セキュリティフォント」という文字と「A・Tコミュニケーションズ株式会社」という社名が消された (魚拓)。撤退の予兆か?
- 代表取締役は皆川雅幸氏。主要取引先を画像で掲載している。検索よけ? なにゆえに?
株式会社ボイス
- 「セキュリティフォントの九州販売窓口」らしい。
- 「福岡市博多区博多駅東1丁目13-17 松岡ビル616号」という所在地はAT社の福岡営業所と同じ。
- 特開2014-21756号はAT社との共願。
有限会社リベストワークス (以下「RW社」)
- たくさんのツッコミを受けて、事実上、サイトを閉鎖してしまった。魚拓一覧 (archive.is | archive.org)。 特に、http://rebestworks.com/wp-content/uploads/2017/01/s1.jpg 〜 http://rebestworks.com/wp-content/uploads/2017/01/s8.jpg あたりの、仕組みに関する説明が総ツッコミの的だった。 他にも「漏洩を強化したい」と言ってしまったりだとか、自社名の綴り間違いだとか……。
- 2017年1月13日の樋渡氏のFacebookへの投稿に対して、RW社社長の西小路裕一氏が「いよいよですね」とコメントした。
- 会社法改正後、新たに有限会社は設立できないはずなので、有限会社なのであれば古くから存在しているはずなのだが、法人インフォではその存在を確認できず。
- 有限会社ニシコウジ【Westreet】と社長・住所が同じようである。ニシコウジ社ではホームページ制作なども行っている。
そっくりさん?・その1
てっく煮ブログの「『コピペできない文章』がコピペできなかった理由」という記事。
そっくりさん?・その2
ランサムウェア「Spora」についてのツイート。 「史上最も洗練された『身代金ウィルス』Sporaの恐るべき機能性」という記事にもなっている。
そっくりさん?・その3
- RIXCO (リクスコ) 社のFONTECT for Web 1.0 セキュリティ フォントおよびFontTalk for Facebook。
- 前者は、特開2014-160353号 (IBMの出願) に「非特許文献1」として挙げられている。
- RIXCO社は韓国の会社のよう。韓国語がわからないのだが、FONTRIXというサイトの会社だろうか。
そっくりさん?・その4
GL-DancingMen (シャーロックホームズの「踊る人形」)というフォント。
そっくりさん?・その5
そっくりさん?・その6
いらすとやさんによる、文字化けした文章を見る人のイラスト。
そっくりさん?・その7
フカセ暗号ジェネレータと、その作者による解説。
そっくりさん・その8
暗号生成ツール『暗号くん』。シーザー式暗号など、各種取り揃え。
微妙に似ているかもしれない
ビットごとに生と死の論理積を取ると愛になるらしくて、すごい。ANDじゃなくてXORを使えばなんちゃってセキュリティフォントっぽくできるかも (単なる思いつき)。
おそらく赤の他人
同じセキュリティ・フォントという名前ではあるが、おそらく赤の他人 (人じゃないけど)。
単一換字式暗号に関する小説
- 「黄金虫」 (エドガー・アラン・ポー)
- 「踊る人形」もしくは「暗号舞踏人の謎」 (コナン・ドイル)
- 『名探偵シャーロック・ホームズ おどる人形の暗号 (10歳までに読みたい名作ミステリー)』というジュブナイルもある (リライトされた芦辺拓氏のツイートも参照)。
不買運動ウェブ
「A・Tコミュニケーションズ株式会社」「ピアノテクノロジー株式会社」「五洋インテックス株式会社」「朝日プロセス株式会社」が揃い踏みしていて、怖いことが書いてある。