米のTPP離脱めぐり閣僚から発言相次ぐ

米のTPP離脱めぐり閣僚から発言相次ぐ
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アメリカのトランプ大統領は23日、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱するための大統領令に署名し、TPP協定は発効のめどが立たなくなりました。これについて日本の閣僚から発言が相次ぎました。
TPP協定を担当する石原経済再生担当大臣は閣議のあと記者団に対し、「自由で公正な共通のルールに基づく自由貿易体制が、世界経済を成長させる源泉だという考えに変わりはない。腰を据えてアメリカの理解を求めていくということに尽きる」と述べました。

経済再生相「米の理解求めるに尽きる」

TPP協定を担当する石原経済再生担当大臣は閣議のあと記者団に対し、「自由で公正な共通のルールに基づく自由貿易体制が、世界経済を成長させる源泉だという考えに変わりはない。腰を据えてアメリカの理解を求めていくということに尽きる」と述べました。

農相「アメリカ含むTPP発効目指す」

山本農林水産大臣は閣議のあと記者団に対し、あくまでアメリカを含めたTPPの発効を目指す考えを強調しました。

この中で、山本農林水産大臣は、トランプ大統領がTPPから離脱するための大統領令に署名したことについて「日本としては協定の発効を目指して、粘り強く働きかける方針で、大統領令に署名したことは日本の姿勢に何ら影響していない」と述べました。

そのうえで山本大臣は「政権が始まったばかりで、全体が機能してくれば、TPPの考え方もおのずから変わってくるという期待感を持っている」と述べ、トランプ政権の方針が転換されることに期待感を示しました。

また、オーストラリアなど一部のTPP参加国がアメリカを除く形での発効を検討していることについて、山本大臣は「そうした道に進む考えは持っていない。アメリカ抜きという判断をした段階で、アメリカのTPP参加の可能性は無くなるので、従来のTPPの枠組みの中で貿易ルールを仕上げたい」と述べ、あくまでアメリカを含めたTPPの発効を目指す考えを強調しました。

外相「米と引き続き意思疎通」

岸田外務大臣は閣議のあと記者団に対し、「引き続き、アメリカが対外的にどのような対応をとるのか注視していかなければならない。アメリカでも、自由貿易の重要性は理解されていると思うし、自由貿易で戦後大きな利益を得てきたことは間違いない。しっかりと意思疎通を図っていくことは重要だ」と述べました。
また、岸田大臣は、TPPに署名した国の中から、アメリカを除いた形での発効など、代替案を検討する動きが出ていることについて、「TPP署名国の間で、これからも緊密に連携していく努力を続けていくことは大事だ。それ以上は何も決まっていない」と述べました。

副総理兼財務相「自由貿易体制は成長の源泉」

麻生副総理兼財務大臣は閣議のあとの会見で、自由貿易は世界経済の成長に欠かせないとしてトランプ新政権に対し、TPPの必要性について理解を求めていく考えを示しました。

このなかで、麻生副総理兼財務大臣は、「日本としては、自由貿易体制は世界経済の成長の源泉と確信している。TPPの戦略的、経済的な意義について腰を据えて理解を求めていきたい」と述べました。
そのうえで麻生副総理は、「アメリカ以外のTPPの参加国と緊密に連携し自由貿易を行っていく」と述べ、オーストラリアをはじめ各国と連携して自由貿易を推進していく考えを示しました。

官房副長官「腰を据え理解求める」

萩生田官房副長官は閣議のあとの記者会見で、「アメリカのトランプ大統領も、自由で公正な貿易の重要性は認識していると考えており、TPP=環太平洋パートナーシップ協定が持つ戦略的、経済的意義についても腰を据えて理解を求めていきたい」と述べました。
また萩生田官房副長官は、記者団が、アメリカを除く11か国で発効を目指す考えがあるか質問したのに対し、「TPP協定は米国抜きでは意味が無く、米国抜きでは根本的な利益のバランスが崩れてしまうという認識だ。11か国での行動ということを前提として考えていない」と述べました。