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このブログでは、Google から開発者のみなさま向けの情報をいち早くお届けします。
Google AMP Cache、AMP Lite、そして高速化のニーズ
2017年1月19日木曜日
[この記事は Huibao Lin、Eyal Peled、Google ソフトウェア エンジニアによる Google Developers Blog の記事 "
Google AMP Cache, AMP Lite, and the need for speed
" を元に翻訳・加筆したものです。詳しくは元記事をご覧ください。]
Google は、基本方針として高速なサービスの設計を追求しています。Accelerated Mobile Pages(AMP)形式を使うと、コンテンツを確実かつ高速に読み込むことができますが、これだけではありません。
Google 検索や Google ニュースと天気などでは、ほぼ瞬時にユーザーに画面が表示される AMP が使われています。その鍵となる技術のひとつがスマート キャッシュです。一般的に、キャッシュを活用すると、コンテンツとそれをリクエストするユーザーを物理的に近づけることができ、コンテンツのデータがユーザーのもとに届くまでに移動する距離が短くなります。さらに、キャッシュのような単一の共通インフラを使うことで、ページの提供時間の一貫性が高まります。一方、多くのホストから配信されるコンテンツは、キャッシュに比べるとコンテンツを提供するレイテンシが大幅に異なり、かなり長くなります。
Google 検索では、
Google AMP Cache
から AMP ページを提供しています。その大きな理由は、一貫した高速のコンテンツ配信にあります。このキャッシュの統合コンテンツ提供インフラは、数億件の規模でドキュメント提供を改善し、最適化を図れるというすばらしい可能性をもたらしています。Google AMP Cache は誰でも無料で使うことができます。その主な理由の 1 つは、すべてのドキュメントがこのようなメリットを受けられるようにするためです。
本投稿では、最近導入された 2 つの改善点、(1)イメージ配信の最適化と(2)「AMP Lite」プロジェクトによる帯域幅が限られた状態でのコンテンツ提供の実現について取り上げます。
Google AMP Cache によるイメージの最適化
ウェブ全体の平均で、イメージはページの
全データ量の 64%
を占めています。つまり、効果的に最適化するには、イメージを対象にするとよいということになります。
イメージの最適化は、通信に必要なデータ量を削減する効果的な方法です。Google AMP Cache は、
PageSpeed モジュール
と
Chrome データ圧縮
で利用されているイメージ最適化スタックを使っています(この変換を行うために、Google AMP Cache は「Cache-Control: no-transform」ヘッダーを無視している点に注意してください)。サーバーに
PageSpeed
をインストールすると、サイトは元のイメージに対して同じ最適化を行うことができます。
以下に、私たちが行った最適化の概要を示します。
1)見えない、または見えにくいデータを削除する
サムネイルや位置情報メタデータなど、ユーザーに見えないイメージデータを削除します。画質とカラーサンプルが必要以上に高い JPEG イメージでは、そのレベルを下げます。厳密に言えば、JPEG 画質を 85、カラーサンプルを 4:2:0(4 ピクセルごとに 1 つのカラーサンプル)に減らします。JPEG 圧縮イメージでは、これより画質が高い、またはカラーサンプルが多い場合、データ量は増えますが目視ではほとんど違いがわかりません。
データ量を減らしたイメージデータは大幅に圧縮されます。以上の最適化によって、ユーザーの見た目には影響を与えずに 40% 以上のデータ量を削減できることがわかりました。
2)イメージを WebP 形式に変換する
特定の画像形式では、モバイルと親和性が高まります。
WebP
がサポートされているブラウザの場合、JPEG を WebP に変換します。この変換によって、画質を変えずにさらに 25% 以上のデータ量を削減できます。
3)srcset を追加する
「srcset」が含まれていない場合は追加します。これは、「src」属性が存在し、「srcset」属性が存在しない「amp-img」タグに適用されます。この操作では、「amp-img」タグを拡張するとともに、イメージを複数のサイズに変更しています。これによって、画面が小さい端末でさらにデータ量が削減されます。
4)状況によって画質の低いイメージを利用する
ユーザーが望む場合や、ネットワークが非常に遅い場合には、(後述の AMP Lite の一環として)JPEG イメージの画質を下げます。たとえば、
データセーバー
をオンにしている Chrome ユーザーに対して、JPEG イメージの画質を 50 に下げます。この変換によって、さらに JPEG イメージのデータ量を 40% 以上削減できます。
次の例は、
最適化前
(左)と
最適化後
(右)のイメージを示しています。元のイメージは 241,260 バイトでしたが、1、2、4 の最適化を行った後は、25,760 バイトになっています。最適化後もイメージはほとんど同じに見えますが、データ量の 89% が削減されています。
低速ネットワーク向けの AMP Lite
世界では、多くのユーザーが低速な接続や RAM の少ない端末でインターネットにアクセスしています。しかし、AMP ページの中には、このように帯域幅が厳しく制限されたユーザー向けに最適化されていないものもありました。そのため、Google は AMP Lite を立ち上げ、このようなユーザーのためにさらに AMP ページのデータ量を削減することにしました。
AMP Lite では、イメージに対して前述のすべての最適化を行います。特に、画質レベルは常に低いものを使用します(上記の 4 つ目の項目を参照)。
さらに、
amp-font
タグを使って外部フォントを最適化し、外部フォントがキャッシュ済みかどうかにかかわらずページが即座に表示されるように、フォント読み込みタイムアウトを 0 秒に設定します。
AMP Lite は、ベトナムやマレーシアなど、いくつかの国の帯域幅が限られたユーザーや、全世界の RAM が少ない端末所有者のために提供されています。イメージによっては、これらの最適化によって細部が変わってしまう場合もある点に注意してください。ただし、広告など、ページの他の部分には影響しません。
* * *
上記のすべての最適化を組み合わせると、
合計 45% のデータ量を削減
できます。
私たちは、今まで以上に高速な AMP を提供するために、ユーザーがさらにデータを効率的に利用できるようにしたいと考えています。
Posted by
Yoshifumi Yamaguchi - Developer Relations Team
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