【社説】大荒れ韓国外交、「親日か反日か」を問う前に代案を示せ(下)

 共に民主党と文氏は韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)についても再検討を主張している。彼らがこの協定の反対を主張するその論理や主張も運動圏レベルから全く抜け出せておらず、しかも「親日売国協定」とまでレッテル貼りしている。この国で次の政権を担う可能性が高い政党や政治家が、この程度の認識しか持っていないとなればこれは深刻な問題だ。文氏はかつて韓米FTAにも反対していたが、その考え方は当時から今に至るまで全く変化も進歩もない。世界では多くの国が互いに情報共有に関する協定を結んでいるが、これを「売国」などとレッテル貼りするのはおそらく共に民主党だけだろう。情報協定は韓国、米国、日本が北朝鮮の動向などに関する情報を円滑に共有するために締結されたものに過ぎないのだ。

 ところがその一方で共に民主党と文氏は、THAAD問題で圧力を加える中国に対してだけは日本と全く異なる姿勢で臨んでいる。北朝鮮の核の脅威に直面する韓国や米国よりも、彼らは中国の立場をより重視しているのだ。もちろん韓国が中国で稼ぐ利益も重要だ。しかし金と命を交換することはできない。THAADはまず在韓米軍と韓国軍の戦力に加え、有事の際に米国などから増援部隊がやってくる港湾といった戦略施設を守るものだ。また防衛できる地域もこれまでになく広範囲にわたるため、それ以外の一般の地域も当然守ることができる。もし共に民主党が政権を握りTHAAD配備が本当に撤回されれば、韓国は北朝鮮の核の脅威に文字通り完全無防備となるため、在韓米軍は撤退を含む極端な対応を取る可能性が非常に高まる。そうなれば誰がこの国の防衛に責任を持つのだろうか。このような基本的な問題についてさえ、共に民主党はこれまで一度もまともな説明をしたことがない。

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