2016年ベスト映画トップ10
ここ数年、あまり映画を観れなかった反省から、2016年は年始に月5本観るぞと目標を立てて、無謀かなって思ったんだけど、達成できた(年間60本)。
無理やりにでも目標設定してみるものだ。
そして、この創造的インプットのおかげで、この一年、走れた気がする。アウトプットだけし続けて持続的にクリエイティブでいられるイメージがない。
前置きはこれくらいにして、2016年のベスト映画トップ10。
10位:マネー・モンスター
メディアの責任が扱われていて、実に2016年的だった。
9位:シチズンフォー | スノーデンの暴露
映像で観るスノーデンは、なんだかヒーローになり損ねた人がヒーローを演じているような感じがした。そのしゃべりかた、思想、ふるまいが演じているように見えてしまった。
2017年1月公開予定のオリバー・ストーン監督による『スノーデン』も楽しみ。
8位:レヴェナント 蘇りし者
目に見えないはずの透明感を表現できているのがすごいと思った。ストーリーは典型的な古典なんだけど、この透明の描き方は、音楽・映像・演出・役者の総合芸術のたまもので感じるものがあった。
7位:ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
エピソードの間を埋める話。キャラクターに突出した個性は感じなかったけど、いい具合のキャラクターがたくさん出てきて、全体感があった。終わりに向かって、ストーリーがまとまっていき、よくできていた。
6位:エクス・マキナ
Google、Facebookといったプラットフォームの人工知能をめぐるムードにあっていて、いま観る意味を感じた。考えながら観れる独特のテンポもよかった。
5位:マネー・ショート
セリフ、シーン、演技に無駄がなかった。多くの人にとって、まだ新しい記憶である「リーマンショック」は、大河ドラマと同じで筋書きがある程度わかっている話なので、演出がつまらないと観るに耐えないものになったはず。
4位:疑惑のチャンピオン
ランス・アームストロングは悪いところもあるのだけれど、わざわざ堕ちていく感じが憎みきれなかった。彼の人生に励まされた人はいるわけで、そうした人にとっては今もヒーローなんだろう。
3位:スポットライト 世紀のスクープ
スクープは誰かの足を引っ張るものではなくて、人を救ったり、未来を生み出すもの、そんな風に思えたのが妙に新鮮だった。サントラ、気に入っていてよく聴く。
2位:10クローバーフィールド・レーン
衝撃の展開。まったく先の想像がつかなかった。J.J.エイブラムスはやはりすごい。
1位:ルーム
何かを語る意味もないくらい、いい映画だった。
おまけ1:2016年がっかり映画
スティーブ・ジョブズ
想像していた内容と違いすぎていて、入り込めなかった。バイアスを取り除いて観るといい映画なのかもとも思う。
ロスト・バケーション
サメ映画。表面的だった。『ジョーズ』がいかにすごい作品だったかを再認識してしまった。
おまけ2:旧作で観てよかった映画
ウォールフラワー
ライブに行くと感じるあの瞬間、それに似た詩的な感情を抱かせる映画だった。
フランク
美しい、とにかく美しい。『ルーム』と同じ監督だったと知らずに観て驚いた。
ロンドン・ブルーバード
ロックな映画。何も残らないようで、空気感が残る映画。
チャッピー
ニール・ブロムカンプ監督、天才!なぜにこんなに感動するのだろう。
her/世界でひとつの彼女
人工知能ものの映画では、もっともリアルな未来に近い描き方なんじゃないかと思った。音声インタフェースとカメラ(センサー)な世界。
エージェント・ウルトラ
退屈する時間がない、『トレインスポッティング』のようなスタイリッシュな映画。主演の2人、アイゼンバーグとクリステン・スチュアートの眼の演技がすばらしい。
ニュースの天才
ヘイデン・クリステンセン主演が気になり観た。スター・ウォーズなみのダークサイド・ストーリー。
月に囚われた男
積み重なった設定が面白かった。宇宙もの、人工知能ものと来ればありきたりの設定のように思えるかもしれないけど、新しさを感じさせるものだった。
ミッドナイト・イン・パリ
雨のように情緒的。
EVA〈エヴァ〉
スペイン映画。日常の中に溶け込むロボットをうまく描いていた。大げさなSF世界ではなく、日常的だったのがよかった。