この感想記事は、ネタバレを含んでいます。
来年にアニメ化されるので、原作に手を延ばしてみました。
ジャンルは、表紙絵からも分かる通り学園物のコメディです。主人公が亜人(デミ)ちゃんたちに好かれる、というハーレム要素もあります。
基本的には明るい感じで進行していきますが、僅かにシリアスな展開もありました。
あまり暗い話を好まないという人や、絵柄が気に入ったという人にはオススメです。テンポもいいですし、殆ど不快な要素はありません。疲れた時に重宝する、癒し系の作品にもなるでしょう。
逆に、デミちゃん達が現代の人間社会に適応できない葛藤や、実在する事で起こる様々な摩擦なんかを見たい、という人には向かないかもしれません。
デミちゃん達は、同ジャンルの他作品よりも、かなり人間に近い存在です。その設定のために、作中で出きる事と出来ない事があります。
「血を吸うだけなら、ただの女子高生と同じじゃん」という意見も、人に近過ぎる存在だからこそ出てくるものでしょうね。でも、吸血鬼物の作品みたいに凶悪な能力を持っていれば、普通の生活を送れなくなってしまいます。
亜人関連の設定が、日常物として成り立たせるためだけに存在するものなのか否かは、二巻以降も読んでみないと分かりませんね。
まだ一巻しか読んでいないので、次巻から設定を掘り下げていくのかもしれませんが。
雪女の子に対する陰口なんかは、亜人以外の子にも起こりうる事ですし、もしかしたら比喩なのかもしれません。
まぁ、普通の学園コメディが悪い訳ではないですし、難しいテーマとかなくてもいいかな、とも思うんですが(もちろん、あってもいいんですけど)。
はっきりとした線や見やすい構図は、人気作だけあって流石の一言。
特に印象的だったのは、表情の崩し方です。「感情的に表現するために、やり過ぎてしまった」という事もなく、ごく自然に普段とは違う顔つきへと変えています。
背景がちょっとさみしいですが、キャラ絵の画力は高いと言えるでしょう。
しかし、主人公の落ち着きっぷりが凄い。まだ二十代半ばなんですよねぇ、彼。二十年以上教鞭を取ったベテラン教師、という設定でも違和感がありませんw
一巻は、各キャラの紹介回が終わった感じです。次巻にも十分期待がもてる内容だったので、購入を継続しようと思います。