悪天候による列車の遅れや運休が相次ぎ混雑するJR札幌駅=札幌市北区で2016年12月23日午後0時18分、高野玲央奈撮影
特急20本運休 強風で大規模停電も
発達した低気圧が北海道に接近した影響で、北海道内は23日も広い範囲で大荒れの天気となり、各地の交通も大きく乱れた。
札幌管区気象台によると、22日午前9時からの降り始めからの23日正午までの降雪量は、音威子府村55センチ▽中札内村上札内53センチ▽帯広空港52センチ▽札幌市42センチ▽新千歳空港25センチ--など。札幌市内の積雪は77センチに達し、平年の約3倍の多さとなった。
JR北海道は、在来線252本(午後1時現在)を運休。22日に運転を再開した「スーパーおおぞら」「スーパーとかち」を含む、特急20本も運休した。
22日に224便が欠航し、約3000人が一夜を明かした新千歳空港では、23日も56便(午後1時現在)が欠航。各航空会社のカウンター前は、チケットや振り替え便を求める多くの客で混雑した。
北海道えりも町と様似町では、23日午前7時10分ごろ、強風で送電線が切断した影響で大規模な停電が発生した。北海道電力によると、両町で最大約4100戸が停電した。同社は復旧作業を行うとともに、札幌市から電源車を派遣した。えりも町では町内の公民館など10カ所で避難所を開設した。札幌管区気象台によると、えりも町の襟裳岬では23日午前7時ごろ、最大瞬間風速30.7メートルの強風が吹いていたという。
一方、道南地方では気温が上昇し、雨が降り続いた。札幌管区気象台によると、22日午前8時の降り始めからの降水量は、23日午前10時現在までに福島町千軒で189ミリ、知内町では140.5ミリに達した。両地点は、12月としては一日の降水量が観測史上最多を更新したという。また、函館市戸井泊でも99.5ミリに達した。【野原寛史、高野玲央奈】