かまってちゃんとは?
最近ネットで、「かまってちゃん」という言葉をよく聞きます。
これはとにかく自分が主役でないと気が済まない、誰かから注目されていないと不安になる、という常に他人からの注目を欲している人たちのことを指すそうです。
もちろん、人間である以上、人から構ってもらいたいというのは正常な欲求です。人間は社会的動物であり、相互に依存する形で文明を発展させてきました。
しかし人間は人に構ってもらうと同時に、構ってもらいたい人の面倒を見てあげる、といういわゆる「ギブ・アンド・テイク」のバランスが取れていなければなりません。ところが中には構ってもらうことばかりが先走り、他人に負担をかけてしまう人たちがいます。これがいわゆる「かまってちゃん」だそうです。
かまってちゃんの気質
かまってちゃんの気質には以下のようなものが挙げられるそうです。
- 現実または妄想で、人に見捨てられることを強く恐れ、不安を抱いている。
- 対人関係の変動が激しく、コミュニケーションが安定しない。
- 気分や感情がめまぐるしく変わり、周囲の人々がついてこられない。
- 感情のブレーキが効かず、ちょっとしたことで癇癪(かんしゃく)を起こしたり、激しく怒り、傷つきやすい。
- 自殺のそぶりや自傷行為を繰り返し、周囲に動揺を与える。
- 自己を損なう行為(薬物・アルコール・セックス・万引き・過食・買い物など)に依存しやすくなる。
- いつも空虚な気持ちを抱き、幸せを感じにくい。
- 生きることに対して辛さや違和感を持ち、自分が何者であるかわからない感覚を抱いている。
- 強いストレスがかかったとき、一時的に記憶がなくなり、精神病状態に似た症状を起こしやすい。
これは専門的には、境界性人格障害(Borderline Personality Disorder)と言われるもので、BPDと略されます。
なお、他にも興味本位にかまってちゃんの特徴を色々挙げているサイトがありますが、ここでは取り上げません。
双極II型障害との違い
BPDの行動パターンは実は双極II型障害の人にもよく見られるものです。しかしBPDの上記の行動はひとえに自分が注目を浴びたいために引き起こされるものですが、双極II型障害の場合は抑鬱状態と軽躁状態が混じり合った「混合状態」という状態の中で危機的状況として出てくる「人格の歪み」(これをデモラリゼーションと言います。)として発生するそうです。
決定的に違うのが、BPDの場合、自分に注意を向かわせることが行為の目的ですが、双極II型障害の場合は、そうではなく、時には逆に自分が相手に役立つことを示すのが目的となりうる、ということです。つまりベクトルの向きが「外から内」か、あるいは「内から外」かということです。この心理状態は特に軽躁状態の時に現れます。
また上記の行動以外にも、BPDの「相手は自分の敵か?味方か?」がベースになっているのに対して、双極II型障害の人は「自分は相手の味方になりうるか?」に関心があるので、前者が自分のアピール、自慢話等の行動が多いのに対して、後者は他人に対する気配り、痛々しいまでの配慮、という行動となります。
よく、双極II型障害の人もかまってちゃんと誤解されますが、双極II型障害と境界性人格障害とは似て非なる病気です。
いずれも精神科の治療が必要な病気ですが、治療方法が異なってきます。BPDの治療法についてはぼくはあまり詳しくないので悪しからず。
また、双極II型障害がBPD、あるいはその逆という誤診されることもありますが、全く違う病気ですので気をつける必要があります。
見分けるコツは先にも書きましたが、エネルギーの向かい方です。つまりエネルギーが
外から内「相手は自分の味方か?」(境界性人格障害)
内から外「自分は相手の味方か?」(双極II型障害)
また、付き合って見るとBPDはいつもべったりしてくるのに対し、双極II型障害はどこか達観したところがあり、対人距離は遠目です。それでいて先を読み、配慮深い、という特徴があります。これは相手から見た自分というものを考えているためと考えられます。
以上、ぼくが思う上でのBPDと双極II型障害の違いについてまとめました。うまくまとまっていればいいのですが・・・。