オフの去就が注目されていた千葉ロッテマリーンズのアルフレド・デスパイネ選手の退団が決定的となった。
公式発表はまだだが、球団本部長から「交渉は打ち切った」との声明が出ているので、退団は確実だろう。
【ロッテ】デスパイネとの交渉を打ち切り「非常に残念です」 (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
交渉決裂理由としては、ロッテの提示する条件が、キューバ政府の要望する額と見合わなかった、ということのようだ。
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デスパイネは、2014年の夏にマリーンズへやってきた。
当初は日本投手の変化球に苦しみながらも、徐々に対応し、42試合で12本塁打を放った。打率も規定打席未到達ながら、.311という高打率を残した。シーズン途中の加入ながらも、日を追うごとに適応していく姿は、来季の飛躍を予感させた。
2015年はキューバ国内リーグにも参加しなければならない影響で、やはりシーズン途中からの合流となり、シーズン中にも2週間ほどキューバ代表チームのため日本を離れた。それでも103試合で本塁打18本、打率は.258と落としたが、マリーンズには欠かせない存在となっていった。
そして今年2016年、もはや不動の4番として開幕からチームに貢献した。134試合24本打点92、いずれも自己ベスト。跳ね返した速球は、どこまでも伸びていった。完全にロッテの4番はデスパイネだった。
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そして今オフ、3年契約の終了したデスパイネが残留するのか、移籍するのかがストーブリーグの大きな話題となった。
デスパイネはキューバの選手である。キューバは社会主義国家であり、デスパイネはキューバ政府に所属する公務員という扱いだ。
どのチームでプレーするかは、キューバ政府が決める。デスパイネに決断権はない。
デスパイネ自身は「ロッテでプレーしたい」と言ってくれていた。マリーンズでのプレーを希望していた。それでも、その願いは届かなかった。キューバ政府は、より好条件の、待遇の良い球団でプレーさせることを選んだ。
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私は、正直、デスパイネの残留は厳しいだろうと、思っていた。資金力では、ロッテに勝る球団はいくつでもある。デスパイネの希望がロッテでのプレーだったとしても、金額に開きがありすぎるなら、キューバ政府がロッテを選ぶ可能性は低いだろうと思っていた。だから、覚悟はしていた。
しかし、覚悟はしていたはずなのに、「デスパイネ退団確実」のニュースを見た瞬間、私は心がひどく揺さぶられているのを感じた。本当に、ひどく、悲しい気持ちになった。
私はデスパイネが本当に好きだったのだ。
あの愛嬌のある笑顔が好きだった。いつだって手を抜かない姿勢が好きだった。頼りになる大きな背中が好きだった。剛速球をバックスクリーンにふっ飛ばす長打力が好きだった。ヒーローインタビューで求められる「デスパ・イイネ!」に快く対応するやさしさが好きだった。チームメイトに愛されるキャラクターが好きだった。通訳の田原さんとのコンビが大好きだった。クルーズ、ロサ、田原さん、デスパイネのラテン系カルテットが大好きだった。
私は、デスパイネを、マリーンズの戦力としてだけではなく、一人の人間として好きだった。
デスパイネがマリーンズでのプレーを希望していたのに、それが叶わないのがとても悔しかった。
これがまだ、本人の希望なら納得できる。本人の希望で他球団へ行くなら、よそへ行っても頑張れよ!と思える。
でも、今回は違う。選手の意向とは別の力で、移籍が決まる。
私は、正直、ソフトバンクのユニフォームを着たデスパイネを応援出来そうにない。悲しくて、悲しくて、泣いてしまいそうだ。だって、デスパイネは、本当は、マリーンズでプレーしたかったんだ。
アルフレド・デスパイネ、今までありがとう。
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デスパイネ選手より田原大樹通訳に特製のキューバ代表ユニフォームがプレゼントされました。「今年の成績は彼のサポートのお陰さ!ありがとうネ」とデスパイネ選手。(広報) #chibalotte pic.twitter.com/pcD0OXXFnh
— 千葉ロッテマリーンズ公式アカウント (@Chiba_Lotte) 2016年10月14日