記者紹介
吉崎 亮介
株式会社Carat 最高執行責任者 舞鶴高専専攻科、京都大学大学院 情報学研究科修了。CEDEC2016登壇。学生時代に3つの研究室を渡り歩き、画像処理、音声解析、制御工学、ロボット工学、進化型計算、機械学習を専攻。応用事例を踏まえ、機械学習とその魅力を配信します。
機械学習の初心者は色々なポイントで挫折を経験します。
その中でも非常に多いのが「最初の参考書選び」による失敗です。
機械学習を独学する上で最初に選ぶ参考書は非常に重要であり、この最初の参考書が挫折するかどうかを左右すると言っても過言ではありません。
今回は、どのように失敗してしまうのか、そして、うまくいくために最初にどの参考書を読むべきか紹介します。
なぜ挫折するのか
よくありがちなミスとして、「機械学習 入門書」と検索して、ヒットした参考書を購入してしまうことです。
たとえば、このような本を購入されたことがある方はいらっしゃるのではないでしょうか。
| パターン認識と機械学習 上 C.M. ビショップ 元田 浩 丸善出版 2012-04-05 |
機械学習の入門書は、様々なアルゴリズムやその実装が本の中に沢山詰め込まれており、非常に便利なのですが、これはある程度の数学を抑えた人であるという前提があります。
もちろん、参考書の最初には導入として、「数学の基礎事項」などと書かれた章がありますが、これは問題の解き方を覚えるのと同じく、本質の理解ではなく手順を覚えるためのものです。
そのため、機械学習を勉強する方は、その基礎段階として、まず3つの分野を抑える必要があります。
それは、微分積分、線形代数、確率統計です。
この3つがあやふやな状態で始めると、いつかは挫折するか、手戻りが発生するため、最初に少し遠回りでも(結局は近道なのですが)、しっかりと勉強しておくことをおすすめします。
おすすめの参考書3選
今回は、この上記の3分野の基礎を押さえるために、筆者が一番良かったと感じている3冊を紹介します。
実は、3冊とも同じシリーズであり、少し怪しそうなタイトルであったため、長い間避けていたのですが、実際読んでみるとそのわかりやすさに、今ではほぼ全シリーズが手元にあります。
このシリーズの良い点
・読み手がまったくわからない前提で書いてある
・口語調のため、授業を聞いている感覚で読める
・先生がつまずきそうなポイントを先回りで教えてくれる
ぜひ、おすすめですので参考にしてみてください。
微分積分
機械学習にとって、微分積分は非常に重要です。
| スバラシク実力がつくと評判の微分積分キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる! 馬場 敬之 マセマ 2016-08 |
この本では、最初から最後までやるというよりは、極限や微分、偏微分の部分を一旦抑えるだけで大丈夫です。
難しいかったりテクニカルな積分は、電磁気などの物理学を専攻しない限り合うことはありません。
線形代数
この一冊は秀逸といえます。
| スバラシク実力がつくと評判の線形代数キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる! 馬場 敬之 マセマ 2015-12 |
機械学習では固有値をよく使うため、本巻の最後まで一通り学ぶことをおすすめします。
早い人であれば、2〜3日で読み終えられる程度です。
確率統計
確率統計も機械学習では非常に重要です。
| スバラシク実力がつくと評判の統計学キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる! 馬場 敬之 久池井 茂 マセマ 2010-05 |
こちらは、微分積分と同じく、全て読み終えるというよりは、各種統計量の定義を抑えておき、必要になれば適宜確認する程度で大丈夫です。
まとめ
最初の参考書選びは非常に重要ですので、今回の記事により、機械学習初心者への導入の助けになると嬉しいです。
「基礎なくして応用なし」「急がば回れ」
機械学習を学ぶ際には、これらの言葉の意味を痛感するので、ぜひ基礎力をしっかりとつけていきましょう。
