1. 性感染症のひとつである「梅毒」が大流行している。2016年度の報告数はすでに4077件(11月27日現在)で、4165件だった1974年以来、42年ぶりに4千件を超えた。
政府統計などによると、1950年代には最大12万の患者がいたが、報告数が1万1755件だった67年以降、減少傾向にあった。
しかし2010年以降、急激に患者が増加。小流行期だった1987年(2928件)をあっという間に超えた。
2. 性行為(オーラルセックスやアナルセックスも含む)で感染する梅毒。
厚労省によると、全身の発疹やリンパ節が腫れるなどの症状があり、放置すると脳や心臓などに重大な合併症が生じることがあるという。
また、妊婦が感染すると、早産や死産などにつながるおそれもある。無症状で進行することもあるので、検査による早期発見と治療が必要だ。
4. 年齢分布別(2015年)に見ると、15〜24歳に関しては、男性よりも女性の方が報告数が多いことがわかる。
20代女性に限れば382人。10年は33人だったので、11.5倍と急増している。
5. 厚労省結核感染症課の担当者はBuzzFeed Newsの取材に「原因はわからないが、危機的な流行だ」と頭を抱える。
「性風俗の存在だけでは説明できない流行です。自覚症状がないことがあるので、いつの間にか移しているケースも多いのではないか」
妊婦検診で梅毒が判明するケースが増えているという、これまで滅多になかった現場の声も聞こえるようになったという。
6. 梅毒などの性感染症は、コンドームの適切な使用で感染リスクを減らすことができる。同省は、セーラームーンを起用したコンドームを製作するなどの対策に乗り出した。
一緒に配布するビラに書かれた「検査しないとおしおきよ!」という目を惹くキャッチコピーは、原作者の武内直子さんが提案したものだ。
老若男女誰でも知っているキャラクターを通じ、できる限り大勢に性感染症が拡大している現状を知ってもらう狙いがある。
コンドームに関しては、大手メーカーの「オカモト」が無償で6万個を提供した。成人式や大学祭などで配布するという。
7. 担当者は「一番の問題は無関心です」と言う。
「たとえば風俗で働く人、風俗に行く人の問題だなどと思うのではなく、自分にも関係があると危機意識を持ってもらいたい」
その上で、こうも呼びかけた。
「梅毒をはじめとする性感染症はコンドームだけで防ぐことはできません。自分やパートナーを守るためにも、まず検査を受けてみてください」
8. 梅毒の検査は、地域によっては保健所で無料・匿名で受けることができる。抗生物質で治療できるが、感染を繰り返すこともあるので、定期的な検査が大切だ。
厚労省のサイト「梅毒に関するQ&A」にはより詳しい情報が掲載されている。