2016年もあとわずか。
そんな時に飛び出した、DeNAのキュレーションサイト「WELQ」に端を発した「著作権」の問題。
DeNA広報部は、記事大量削除について「他サイトやブログの文章・画像を転用している可能性のある記事や、公序良俗に反するなど利用規約に違反している可能性のある記事」を削除したと回答しています。
- なぜ、このような問題が生じたのか。
- これらを防ぐために気をつけるべきことは何か。
- そして、今後WEBメディアを運営していくにはどうしたらいいのか。
以上、考察していきたいと思います。
そもそも、見直すべきWEBライターの役割
この問題と切って切り離せない問題として、WEBライターという職業がひとつの仕事として地位を確立してきていることにも触れておかないといけません。
以前も助っ人ではWEBライターの問題点について書きました。
~ここまでライターが増えてしまった背景には、オウンドメディアが増えたというだけでなく、プログラマーやデザイナーといった他の専門職と違い、ライターは活動するための参入障壁が低いのが理由として考えられます~
そして、ライティングの本質から少しズレてしまってSEOに特化しすぎて、肝心な本文の中身がおざなりになったり、それこそ「著作権」の知識やモラルに欠け、他の作品からの流用に走ってしまうという問題にまで発展しました。
※著作権の詳細については下記の記事が非常に分かり易く書かれていました。
WELQなどのキュレーションメディアを著作権法の観点から分析してみた(STORIA法律事務所ブログ)
もちろんこれは、発注者側の問題が大きいと言えます。
クラウドソーシングでの仕事の具体的な発注文もオープンになったように、「コピペ」の指示が横行していました。PVのKPIやそこにかかるコストの問題が大きな理由と考えらますが、あまりに行き過ぎた行為には違いありません。
しかし、本職のライターであればこのような仕事を受けるはずがないのです。
そもそも、先も述べたようにライターという職業の人って今ほどはいなかったはずです。ライターというのはもちろん紙であれ、WEBであれ媒体が必要です。10年前ほど、いやもっと直近の数年前はそもそもブロガーという方々はいましたが、ライターという人に会う機会は非常に少なかったように思います。
当然、媒体でマネタイズできているものが、今と比べると少なかったからです。
新聞や情報誌はもちろん、専門誌といった紙媒体に比べ、WEBの媒体で認知されていてライターが多かったのはリクルートが提供している情報サイトですね。これも専門のライターもいれば営業担当や、営業事務の人がある程度テンプレートを元に書いていた印象です。
筆者自身は専門性がさらに高いものを書いていましたが、1日に2本ほど仕上げるために必死でした。
この時期のライターと一言でいってもピンキリなのは間違いないですし、他者の体制がどこまでなのかはすべて把握してはいませんが、やはり「世に出すもの」ということでそれなりの体制でやっているのは間違いありません。
私たちはまず、そのライターをする上で他部署で2~3年の経験を経ます。そして、東京の本社に研修センターというものがあり、2ヶ月程度座学と実際のインタビューやレポートを添削・指導してもらうことで、最低限の力と知識を身に着けていきます。現場に戻っても最初のうちはハードマネジメントでキツイ指導を受けます(めちゃくちゃ怒られました)そもそも、高学歴で大学院卒も多く、学生時代にかなり論文指導などを受けてもさらにここまで叩き込まれます。
ようやく1年くらいがすぎるころに1人前になったところで、メンターからの指導、上長のチェック、審査部というところを得て、通過して初めて世に出ることになります。それでももちろんミスがあってクレームが出たりということもしばしばありました。
他の出版社さんの状況はわかりませんが、当然ながらこれ以上の勉強をされているのではと思います。
そこではもちろん、他の作品の盗用(コピペ)などのコンプライアンスは当然の徹底的に叩き込まれます。
そのような状況下で、クライアントに喜ばれるものを作り出す。この仕事に対して「プライド」を持っているのは間違いありません。
本気でいい記事を書くには
おそらく、どんなWEBコンサルタントも詰まるところこうおっしゃると思います。
「いい記事を書きましょう」と。
「いい記事ってどんな記事ですか?」と尋ねても、、、
「わかりやすい文章で、、、」と明確にコレというのは少ないと思います。
「いい文章書き方」
のキーワードで検索をかけてみると
- 句読点の打ち方、
- 基本的なミスをしない
- 「 」の使い方
- 修飾語や助詞などの使い方などといった文法の問題
- 長い文章を使わず、文を区切る
これらの問題は「国語力」にある程度起因すると思われます。
この能力が高い人ほど最初にライターとしての素養はあると言えます。
また、「いい記事の書き方」だとさらにWEBメディア向けの記事が出てきます。
上位にあがってきているものは重要な項目を抑えているような気がします。
WEBメディアそのものの運用の方針みたいな内容も多いですね。
経験や勉強は非常に重要だと思いますが、記事を書くに当たってもっとも重要な素養は
「そのメディアに対する愛着とヤル気」に尽きると思います。結局のところ。
これさえあれば多少の知識や経験不足は補えると思います。
ここが満たされている上で、人に認められる記事を書くには下記の3点に気をつけるといいのではと思っています。
- 難しいことをわかりやすく書く
- 結論を簡潔に述べる
- 5:3:2の法則で書く
この3つはWEBメディアに関わらず、抑えておく必要があると思われます。
難しいことをわかりやすく書く
まず1つ目の「難しいことをわかりやすく書く」ですが、これがなかなか意外と難しいものです。人に説明するにあたり、自分自身が理解してなくてはなりません。まさにコピペや転載をしていると身につかない能力です。
また、簡単なことなのにあえて難しくしてしまっている方も多く見受けられます。読み手(ターゲット)の視点に立った言葉でわかりやすく説明することで、理解を促します。
初心者向けに横文字を並べても分かりにくいですし、ある程度わかっている人には、専門用語を伝える必要があります。読み手のレベルにあった単語や説明を意識しなくてはなりません。
マスコミ時代によく言われたのが
「日経新聞の内容をスポーツ新聞の言葉で伝えられるように」
ということでした。わかりやすさの徹底した追求がよりユーザーのためになるのは言うまでもありません。
結論を簡潔に
2つ目の「結論を簡潔に」というのは、
「結局何が言いたいのか」ということです。
これはタイトルとも連動してなくてはなりませんし、「この文章の主旨は◯◯です」ということがわかりやすくなければなりません。
このあたりが実は日本語が奥ゆかしいというか、分かりにくい要因になっているところでもあります。
仮に文章が長くなったとしても、
「言いたいことは冒頭に」
「何を言いたいのか」
を明確に記しておいた方が良いです。その意識でそのまま文を読んでもらうことで読みやすくなりますし、そもそも何のことかわからなければ読んでくれないかもしれません。今はWEBサイトやブログが乱立している時代です。ましてやメジャーではない記事にたどり着いたユーザーの方を大事にしたいですよね。
あまり、SEOのことについては多数、他でも触れられているのであまり書きませんでしたが、SEO的にも冒頭に主旨が書いてあることがいいとされています。これはGoogleのクローラーというシステムが当然アメリカで生まれたものなので、英語を中心に考えられているからです。英語は言いたいことを最初に持ってくることが多い言語です。そのことからも冒頭に書いてあるものを内容に近いものだと判断する傾向にあるようです。
「5:3:2の法則」
3つ目の「5:3:2の法則」ですが、これは何の比率でしょうか。
これは
5(既存の知識):3(未知の知識):2(感動)
の比率です。
既存の知識は
「それ知ってる」とか
「そうだよね~」
といった反応で迎えられますよね。全く知らない内容だと、タイトルさえクリックしないでしょう。
読み手もある程度、自分の知識とすり合わせることで、この書いている内容が本当に正しいのかどうかを判断しています。
自分の知らないことが半分以上だと、記事自体に不安感を覚えてしまいます。
逆に知っていることばかりであれば、つまらないと感じてしまうでしょう。
検索をかけたり、SNSなど経由でみつけてクリックして読みはじめてくれている時点で、興味がある。
つまり自分の関心が高い(既存の知識が深い)ものだから見ている、そしてさらに深い知識を得ようとしているという人が多いのです。
そこで、未知の知識「へー」とか「そうなのか」というものを与えた上で「おー」「そんなことあったんだ」という感動を与えることで、その記事の満足度が高くなり、ひょっとしたら友達にも教えたくなって、Facebookでシェアしてくれるかもしれません。
今後、WEBメディアを運用する時に気をつける戦略
今後WEBメディアはどうなっていくのか。
丁寧に上記のように熱意を持って、メディアに取り組んでいくことが重要であると言えます。
まだ出来て間もないドメインでは当然20年あるドメインには勝てないので当然ながらビッグワードでは勝てないので、カテゴリ特化していくことが求められるでしょう。
例えば女子向けのサイトで、
「コスメ」
について書こうとしてもなかなか大手サイトには
「コスメ」というキーワードでは勝てません。
コスメとか化粧の中でもカテゴリが「基礎化粧品」と「メイクアップ」に別れるとしたら、その中でも「メイクアップ」その中でも「美容液」と「ファンデーション」に絞る、さらには「洗顔+◯◯」といったキーワードにまで絞っていけば、Googleがこのサイトは「ファンデーション」に詳しいなとなり、検索上位に表示される可能性があります。
一旦何かのカテゴリで一定の評価を得てからいろいろカテゴリを増やしていくことが得策と言えるでしょう。
キーワードプランナーも有料のユーザーのみに正確な数値を提供し始めましたが、ここは有料なアカウントを作ってでも把握しておきたいところでもあります。
編集長・ディレクター的な立ち位置の人がキーワードの選定や進め方、進捗管理まで行い、正しい方向で進めていけば、目的を果たすことができるかもしれません。
他のサイトでも言われていることですが、WEBメディアの目的・ターゲットをハッキリさせること。これがまずはスタートです。
いろんな問題がありましたが、ここまで話してきた
「アタリマエのことを当たり前にやる」
をキーワードに再度取り組んで、ユーザーにためになる情報を届けるというマスメディアの原点に回帰して、2017年はWEBメディアのいいニュースが飛び交うことを願います。